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余計
「余計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
》に嘘を重ねることは必しも父母に劣らなかった。それは一月五十銭の小遣いを一銭でも
余計に貰った上、何よりも彼の餓《う》えていた本や雑誌を買う為だった。彼はつり銭を....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
さん」がいても、ふざけるのに少しも変らなかった。いや、或は「甲野さん」がいる為に
余計ふざける位だった。お鈴は時々|眉《まゆ》をひそめ、こう云う武夫を睨《にら》ん....
「母」より 著者:芥川竜之介
りたてでよくはわかりませんけれども、大へん雨の多い所でございますね。」
「今年は
余計――あら、泣いて居りますわ。」
女は耳を傾けたまま、別人のような微笑を浮べ....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
びますまい。殊にその頃は摩利伽《まりか》へでも、一時渡っているつもりでしたから、
余計に金《かね》の入用もあったのです。
町は勿論とうの昔に人通りを絶っていまし....
「冬」より 著者:芥川竜之介
したのはこう云う当り前の言葉だけだった。
「薄荷《はっか》パイプを吸っていると、
余計寒さも身にしみるようだね。」
「そうお、あたしも手足が冷《ひ》えてね。」
....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
心もちが妻に通じない点で、――通じない所か、むしろ憎悪を買っている点で、それだけ
余計に僕は煩悶《はんもん》した。君を新橋に出迎えて以来、とうとう今日《きょう》に....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ある。それがこの福竜は、大に優楽不自在なんだから可笑《おか》しい。もっともこれは
余計な話だがね。――その承知しない云い草が、また大に論理的《ロジカル》なんだ。「....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いている私にも、好《い》い気のするもんじゃありません。けれども私がそこへ出ると、
余計事がむずかしいんです。――と云うのは私も四五年|前《まえ》には、御本宅に使わ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
こ》を一服吸いつけた。
「今日の当番は、伝右衛門《でんえもん》殿ですから、それで
余計話がはずむのでしょう。片岡なども、今し方あちらへ参って、そのまま坐りこんでし....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
眼にはいらない事が多い。
その上、この頃は、年の加減と、体の具合が悪いのとで、
余計、商売に身が入らない。節廻しの長い所を唱うと、息が切れる。喉も昔のようには、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
て、急に気ごんだ調子になった。
「女でも男でも好いじゃありませんか。」
若者は
余計なおしゃべりを後悔しながら面倒臭そうにこう答を避けた。が、相手は腹を立てた気....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ども熟した杏《あんず》のようにまるまるしている。………
僕の父や母の愛を一番
余計に受けたものは何と云っても「初ちゃん」である。「初ちゃん」は芝の新銭座からわ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
になる。いずれにしてもその原因は、思想なり感情なりの上で、自分よりも菊池の方が、
余計苦労をしているからだろうと思う。だからもっと卑近な場合にしても、実生活上の問....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
り騒いだりして、早く解放されたのを喜んだ。 色男のイカバッドは少くとも三十分も
余計にかけて化粧した。いちばん上等な黒の洋服、といっても、じつは色のあせた一帳羅....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
くれて、後の三枚を元の胴巻へ入れて、腰に巻きつけてしまいました。多助も後二枚だけ
余計にもらったので、まんざら悪い気持もしませんでした。三人は城下へ行くのをやめて....