佳作[語句情報] »
佳作
「佳作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佳作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
如何《いかん》?
答「古池や蛙《かわず》飛びこむ水の音」。
問 君はその詩を
佳作なりとなすや?
答 予《よ》は必ずしも悪作なりとなさず。ただ「蛙《かわず》....
「父」より 著者:太宰治
せて、一様に少しずつ寿命をちぢめたようだ。死にやいいんだ。つまらんものを書いて、
佳作だの何だのと、軽薄におだてられたいばかりに、身内の者の寿命をちぢめるとは、憎....
「花火」より 著者:太宰治
、あきらかに勝治の所業であった。その画は小さいスケッチ版ではあったが、父の最近の
佳作の一つであった。父の北海道旅行の収穫である。およそ二十枚くらい画いて来たのだ....
「女の決闘」より 著者:太宰治
指摘しながらも、その描写の生々しさを、賞讃することを忘れませんでした。どうやら、
佳作、という事に落ちついた様子であります。けれども芸術家は、その批評にも、まるで....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
《かいこう》」という短篇を発表した。俺はまたそれを飛びつくようにして読んだ。そう
佳作ばかりが、続くわけはないと思ったからである。が、俺の安心はすぐ裏切られた。手....
「如是我聞」より 著者:太宰治
じゃないか。 さらにまた、この作家に就いて悪口を言うけれども、このひとの最近の
佳作だかなんだかと言われている文章の一行を読んで実に不可解であった。 すなわち....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
多謝候再版の時には訂正いたし度と存候貴著『日本山水論』は草村氏より拝受、確かに一
佳作たるに背かずと存候一読後大日本地誌の著者山崎直方氏に一読をすすめ置き申候細か....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
うろ》している中《うち》に、当り作が漸く一つ出来た。批評家等は筆を揃えて皆近年の
佳作だと云う。私は書いた時には左程にも思わなかったが、然う言われて見ると、成程佳....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:条野採菊
て一座の喝采を博したるが本話の元素たり。其の時聴衆|咸言って謂えらく、斯ばかりの
佳作を一節切の噺し捨に為さんは惜むべき事ならずや、宜敷く足らざるを補いなば、遖れ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
えておる草を結んで寿を祝う歌で、「代」は「いのち」即ち寿命のことである。まことに
佳作だから一しょにして味うべきである。以上の三首を憶良の類聚歌林には、「天皇御製....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
怪電波の秘密』といったような題であったが、これが見事に一等二等を踏みはずし、選外
佳作となった。しかし何分にも選外にでも入るとは想像していなかったので、その発表の....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
》」に収められた歌以外のものに、かえって真実味に富んだ、哀婉《あいえん》痛切なる
佳作が多いような気がする。私は先ず手録された詠草の最初にあった、 百人のわれに....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
。古人の残した言葉は不動である。 誤ったために、その失敗を工夫して生かし思わぬ
佳作が出来上ることがある。そのような時はまた格別に嬉しい。それは画境に一進展の兆....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
マからこの二つの俳句が同時に出来たため、蕪村自身その取捨に困ったらしい。二つとも
佳作であって、容易に取捨を決しがたいが、結局「故人に逢ひぬ」の方が秀《すぐ》れて....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
に随い人により思い思いの教訓をなすを常とす。その洒堂を誨《おし》えたるもこれらの
佳作を斥《しりぞ》けたるにはあらで、むしろその濫用を誡《いまし》めたるにやあらん....