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佳品
「佳品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佳品の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
くづくと生き、もて行くことのもの憂く、まったくもって、笹の葉の霜、いまは、せめて
佳品の二、三も創りお世話になったやさしき人たちへの、わが分相応のささやかなお礼奉....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
っと煙の立つ厚焼の玉子に、椀が真白な半ぺんの葛かけ。皿についたのは、このあたりで
佳品と聞く、鶫を、何と、頭を猪口に、股をふっくり、胸を開いて、五羽、ほとんど丸焼....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
このごろ、やかましく言われているけれども、それは露伴の五重塔や一口剣などむかしの
佳品を読まないひとの言うことではないのか。 王勝間にも以下の文章あり。「今の世....
「創生記」より 著者:太宰治
テ書イテモ、ソレガ、ソンナニ悪イ文章デナシ、ヒトトオリ、マトマリ、ドウニカ小説、
佳品、トシテノ体ヲ為シテイル様、コレハ危イ。スランプ。打チサエスレバ、カナラズ安....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
戸でないから、はらごもりを割くのでない。松魚だ、鯛だ。烏賊でも構わぬ。生麦の鰺、
佳品である。 魚友は意気な兄哥で、お来さんが少し思召しがあるほどの男だが、鳶の....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
茂真淵書入の『古今集』を貰った。多分田安家に奉ったものであっただろうとおもうが、
佳品の朱で極めて丁寧に書いてあった。出処も好し、黒川|真頼翁の鑑定を経たもので、....
「書について」より 著者:高村光太郎
ずから一種の気品が備わって来て、慾も得もない佳い字を書くようになる。 そういう
佳品を目にするのはたのしいものであるが、さればといって、此を伝統の骨格を持ち、鍛....
「浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
筆致と申し色彩と申し、強い調子の中に一種のなれた柔かみがあって、なんとも言えない
佳品であったと思います。 ○ 兎に角、春信以下、たいていは錦絵の方が....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ドー エ フルツ)は水菓子と干菓子《ひがし》なり。これらの料理はいずれも精選せし
佳品を以て調理せられたれば味の美なること内外に誇るに足らん。会食の時間となれば賓....
「三国志」より 著者:吉川英治
「あいにくと、お前さんに頒けてやるような安茶は持たないよ。一葉いくらというような
佳品しか船にはないよ」 「結構です。たくさんは要りませんが」 「おまえ茶をのんだ....
「三国志」より 著者:吉川英治
から名剣宝珠が多く伝わっているとは聞いたが、洛陽から遷都して来た後も、まだこんな
佳品があったのか」 彼は、武勇|絶倫だが、単純な男である。歓びの余り、例の赤兎....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いと分れば、金を。 書画骨董がすきと知ればあらそって宋元の名品だの、雨過天晴の
佳品やらを。 また、或る時代に時めいた一宰相は、 「鶉がおすき」 という評判....
「洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
湖のじゅんさいの如きは、やかましい湖の名とともに名物となっているが、実際は決して
佳品ではなく、葉も大きくて、ところてん袋がほとんどゼロで、到底日本の良品に比すべ....