佳饌[語句情報] » 佳饌

「佳饌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

佳饌の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
一 奥山の仙水に、山女魚を釣るほんとうの季節がきた。 早春、崖の南側の陽だまりに、蕗の薹が立つ頃になると、渓間の佳饌山女魚は、俄に食趣をそそるのである。その濃淡な味感を想うとき、嗜欲の情そぞろ....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
う。信州や北陸地方の人々も、酒の肴にする。支那でも盛んに食い、中央亜細亜方面では佳饌のうちに加えられてある。 昔、京の禁裡から白面金毛九尾の狐を祈り払った陰陽....
食指談」より 著者:佐藤垢石
薬味として加えたところ、鼻の奥に涼香漂い舌端に爽烈の気を呼んで、思いがけなく心に佳饌の趣を催したのであった。 しかしながら、上州の蕎麥の味は、信州の蕎麥には及....
魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
。一盃過ごせよう。 なんと慈愛に富んだ利根川であろう。われらに、尽くることなき佳饌を贈ってくれるではないか。 上州人の、ほんの一部にしか知られていないものに....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
から支那人に至るまで誰も知らぬ者はあるまい。僕の郷里信州諏訪地方では昔から、秋の佳饌としてこれの右に出ずるはないとしている。だから、近年では地蜂の種をほとんど採....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
贅を尽くした魚菜とはいえまい。しかしながら、姫柚子の一滴は、爛然として鍋のなかに佳饌の趣を呼び、時しも窓外の細雨に、二人は秋声の調べを心に聞いた。鼎中の羮に沸く....
ザザ虫の佃煮」より 著者:佐藤垢石
、山国で海の方から味のいい魚がこないために、昔から川の虫まで酒の肴にして、それを佳饌としたのであろうが、他においしいものがなかったから、こんなものでも珍重するに....