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「佳麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

佳麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
るがからかわれて惜しい婦人とは思って居なかった。)麻川氏を惜しむこころ、麻川氏の佳麗な文章や優秀な風采、したたるような新進の気鋭をもって美の観賞を誤って居るよう....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
くなく、詩酒の情が濃かであった。 その時世高は二十歳を過ぎたばかりであったが、佳麗な西湖の風景を慕うて、杭州へ来て銭塘門の外になった昭慶寺の前へ家を借りて住み....
源氏物語」より 著者:紫式部
がらも、この人と夫婦になれた前生の因縁が非常にありがたかった。予想したにも過ぎた佳麗な人を見ては、自分が得なかった場合にはこのすぐれた人は他人の妻になっているの....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
であった。お杉に三之丞がなかったなら、恋さないでは居られなかったろう。 後宮の佳麗三千人、これは支那流の形容詞、しかし家斉将軍には事実五十人の愛妾があった。い....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
る。 興津川は鮎ばかりの流れではない。中流小島村付近から上流には清い流れの底を佳麗な山女魚が楚々として泳いでいる。 京都付近の諸渓流にも、また九州にも釣り場....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ぶ》によりてここに始めて精巧なる彩色板刻《さいしきはんこく》の技術を完成し、その佳麗《かれい》なるが故を以《もっ》て吾妻錦絵《あずまにしきえ》の名を得るに至れり....
三国志」より 著者:吉川英治
「…………」 劉備は、そんなことを訊かれたので、またふと、忘れていた鴻芙蓉の佳麗なすがたを思い出してしまった。 で、つい答えを忘れて、何となく眼をあげると....
三国志」より 著者:吉川英治
神仙の仙女とは、実に、この貂蝉のようなのをいうのだろうな。いま、※塢城にもあまた佳麗はいるが、貂蝉のようなのはいない。もし貂蝉が一笑したら、長安の粉黛はみな色を....
私本太平記」より 著者:吉川英治
など、ひところの騒ぎであった。 姫はまだ十七、深窓の愛しみにくるまれていたが、佳麗な容姿はかくれもなく、つねづね若公卿ばらの野心のまとであった。 それだけに....
私本太平記」より 著者:吉川英治
日。 彼の馬上姿を先頭に、十二人の黄母衣組以下の一小隊が、三輛の牛車に、三人の佳麗な女囚の后たちを分かち乗せて、六波羅松原へさして揺らいで行った。途中、さんさ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の果てにござりまするが、してあなた様は?」 訊かれると、彼女はまだどこかに残る佳麗を面にほの紅らめて、 「自分ですら思いがけぬ身の移ろい。お分りでございましょ....
美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
のうちにもこんな話が載っている。 東三条どの(太政大臣兼家)のおん娘は、深窓の佳麗であった。綏子ノ君というのである。 父の兼家の側室には「かげろふ日記」の筆....