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「併存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

併存の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ければ満足が出来ないと人がいうならば、その人の為めには、文学の領内に詩と小説とが併存するように、これまでのような絵画を存続させておくのもまた妨げないだろう。然し....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
は共に人類の本能であり、正義に対するあこがれと力に対する依頼は、われらの心の中に併存する。昔の坊さんは宗論に負ければ袈裟をぬいで相手に捧げ、帰伏改宗したものと聞....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ものであるか否やについて、有名な問題を提供した。そしてベーコンは、かくの如き二人併存する能わざる場合には、自保の法則が行われるから、罪とならぬと言うておる。たし....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
最後に併し最も大切な点を見落してはならぬ、世論が階級的に対立すると云ったが、単に併存しているものは何も対立などしているのではないので、対立と云えば二つの世論の間....
激動の中を行く」より 著者:与謝野晶子
が嫁に対して良人より勝っているのもこの制度のためです。男子の遊蕩を寛仮して妻妾の併存を認容するのも、男女道徳以上に血統を重視する家族制度の特権であるのです。この....
階級闘争の彼方へ」より 著者:与謝野晶子
立たせられます。同じ労働階級でありながら、その中に、更に特権階級と無特権階級とが併存するという事は、決して正義に合したことだといわれません。今日同盟罷工に成功し....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
し、処世の具でもあり、一途の恋心によってでもある、ということは成り立たない。二者併存しておれば、何のナヤミ、何の面倒があろうか。 もしもナヤミと面倒があったと....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
。 最後のギリギリのところで、孤独感と好色が、ただ二つだけ残されて、めざましく併存するということは、人間の孤独感というものが、人間を嫌うことからこずに、人間を....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
ャクは、片隅で晩酌をやるがよい。アマノジャクが居て悪いということもない。清濁黒白併存するのが自然である。 しかし、通人の旦那たるもの、大いに道を楽しみ、人情小....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
分配を齎らし得ないであろう。 ここに挙げた好都合な事情なるものが、シベリアには併存していないことは明かである。地質の上で克服しなければならぬ物理的欠点は何もな....
絵画について」より 著者:三好十郎
様さなどを感じたことは私は一度もない。例えば彼の作品にある遠近法の逆用や多視角の併存や色彩のスペクトル化やお乳のそばにお尻を描くといった風のアブノルマリティや作....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
化してはいなかったからである。そうして仔細にその錯綜の跡を検すれば、二語は久しく併存し、その択一は単なる小区域の流行であったことが知れるからである。即ち将来|闡....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
も啼声から出た語には相違ないが、多分は以前多くの土地に、こういう二種以上の称呼が併存していた時期があって、後に主としてその一つだけが用いられ、他の一方が忘れられ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
例だけをもって対比することはできない。現にヒボトもこのスビトも、同じ一つの郡内の併存であって、双方互いに別の語だとは思っておらぬのである。 同じ東北地方の、し....
どら猫観察記」より 著者:柳田国男
見ると自分の家などにも、やはり依然として昔ながらの野ら猫の一家庭が、自分の家庭と併存して続いて居た。白勝ちの赤毛の斑で、顔の至って平めなのが特徴であったが、今以....