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併行
「併行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
併行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「淫売婦」より 著者:葉山嘉樹
に見惚《みと》れていた。私は立ち尽したまま、いつまでも交《まじわ》ることのない、
併行《へいこう》した考えで頭の中が一杯になっていた。 哀れな人間がここにいる。....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
だから消そう」とその句だけへ棒を引く。一本ですむところを二本引き三本引き、奇麗な
併行線《へいこうせん》を描《か》く、線がほかの行《ぎょう》まで食《は》み出しても....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
観的の内職もできると云うつもりで用いた言葉であります。もしこの内職がある程度まで
併行《へいこう》していなければ、この種の叙述の価値は大分減じます。大学の教授が私....
「読書法」より 著者:戸坂潤
な哲学史はヘーゲルに始まるのであるが、ヘーゲルの哲学史は鉄塔書院と岩波書店とから
併行して訳出されている。この二つの訳書の特色の比較は興味のあることだろうが、手元....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
げ、層々たる天主閣をそびやかした松本城を前景に加うることなしに、人間味と原始味の
併行した美しさを高めることは出来ない。木曾川を下って、白帝城に擬せられた犬山城が....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
図表に従って、厳重に遂行されなければならない性質のものである。しかもそれはこれに
併行する経済的の帳簿の示す数字によって制約されつつ進行するのである。細かく言えば....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ぜんと怪塔ロケットにおいすがっています。 怪塔ロケットと偵察機とは、いままさに
併行して高度すでに一万メートルにちかい高空をとんでいきます。 小浜兵曹長は、や....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
かった。処がこの勢力が外見上多少下火になると共に、各種ファッショ団体の整理統一と
併行して、やがてそのイデオロギー自身の統一化が齎された。夫は皇道主義を経て遂に国....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
今日、新聞という客観化された問題に対しては、云わば青眼的興味と、白眼的な興味とが
併行し又交錯している。実際今日、多少社会意識のある人々は新聞を可なりの程度にまで....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
ぬであろう。けれども汽車が東京駅に近づくに従って、その汽車に或は後れ或は先立ち、
併行して突進んでいる幾多の電車が、悉く溢れるような人を満載していて、それ等の人は....
「黒船前後」より 著者:服部之総
る日である。「グレート・イースタアン」は六八〇フィートの長大な船体をテームズ河に
併行させていた。進水は横|辷《すべ》りに行われる。ボイラーも何もはいっていない正....
「新童話論」より 著者:小川未明
ります。 それ故に、課外の情操教育や、乃至人格を造る上に役立つ教化は学校教育と
併行して奨励されなければならぬ急務に迫られています。児童を中心とする文学は、それ....
「文芸評論の方法について」より 著者:戸坂潤
時代と社会とに迫るのが、文芸評論の本格的な使命だ。つまり所謂作品も評論も、同じく
併行してこの時代と社会とを取り上げる。批評も亦作品と併ぶ作品の一ジャンルと考え得....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
は秋風というもののある趣に案じ入った時この句はできたのであります。ここにほとんど
併行している野路が二つあって、それがしばらく行っても容易に出逢わない、この二つの....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ある。ドイツは天才ヒットラーにより戦争の中に於て着々欧州連盟の結成に努力し、恩威
併行の適切なる方策により輝かしき成果を挙げている。ソ連は最もよく結合の実を挙げ、....