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佶
「佶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佶の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「余が翻訳の標準」より 著者:二葉亭四迷
処で、出来上った結果はどうか、自分の訳文を取って見ると、いや実に読みづらい、
佶倔※牙《きっくつごうが》だ、ぎくしゃくして如何にとも出来栄えが悪い。従って世間....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
福な時期なのである。風流を盛るべき器《うつわ》が、無作法《ぶさほう》な十七字と、
佶屈《きっくつ》な漢字以外に日本で発明されたらいざ知らず、さもなければ、余はかか....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
で、其の人に逢って見るも一策だ。余「では其の人の住所姓名を聞かせて下さい」穴川「
佶《きっ》と其の人の所へ行くと約束しますか」余「します」穴川「行くなどといって、....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
は心を失ッたか」とは此家を出て第一に目科が余に向い発したる言葉なりしが、余は彼を
佶と見詰て「夫は僕の方で云う言だ、君こそ心を失ッたのだろう、僕が発見した敵の灸所....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
》に吹《ふい》ている。そのお政の半面《よこがお》を文三は畏《こわ》らしい顔をして
佶《きっ》と睨付《ねめつ》け、何事をか言わんとしたが……気を取直して莞爾《にっこ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
十年六月三日に父を喪って、八月四日に宗家を継承した。暁湖の後を襲いだのは養子|元
佶で、実は季の弟である。 安政五年には二月二十八日に、抽斎の七男|成善が藩主津....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
聞けば、菰《こも》の下から犬の尻尾とか足とかが見えていたというけれど、私が其時|
佶《きっ》と目を据えて視たのでは、唯車が躍って菰《こも》が魂の有るようにゆさゆさ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
「業務に従事しなさい」という意となる。 この歌も、その声調が流動性でなく、寧ろ
佶屈とも謂うべきものである。然るに内容が実生活の事に関しているのだから、声調おの....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
ども招かれて来ていて、参府の折の本草会の話なども出たが、先生の胸中には悲哀の情と
佶屈《きっくつ》の思いがあるので、どうしても気が浮立たない。 そのうちに食卓開....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
芭蕉、去来はむしろ天然に重きを置き、其角、嵐雪は人事を写さんとして端《はし》なく
佶屈※牙《きっくつごうが》に陥り、あるいは人をしてこれを解するに苦しましむるに至....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《もっとも》有名なる銅板画よりもむしろ本図を好む。」と。この訳文|甚《はなはだ》
佶倔《きっくつ》にして作品の説明簡略なるがため当時の会場を記憶せざるものにはこれ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
河岸《かし》の眺《ながめ》を専有する下町《したまち》を羨むの余り、この崖と坂との
佶倔《きっくつ》なる風景を以て、大《おおい》に山の手の誇とするのである。『隅田川....
「将来の日本」より 著者:中江兆民
べき云々の状を論ず。すこぶる精微を極め、文辞また婉宕《えんとう》なり。大いに世の
佶屈《きっくつ》難句なる者と科を異にし、読者をして覚えず快を称さしむ。君|齢《よ....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
見卓識常に文を草する言文一致の法を用い、高尚の議論を著わし緻密の思想を述ぶるに、
佶屈※無々君の説に服し、圓朝氏の技に駭き、直に筆を採て平生の所感を記し、以て序に....