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使い分け
「使い分け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
使い分けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
は平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく
使い分ける不思議な心の広さを持っていた。ある時には極端に涙もろく、ある時には極端....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
揚げ促進運動のデモに参加することと、店へ来る客と大津へ泊りに行くことを、ちゃんと
使い分けているのを、びっくりしたような眼でながめていたのだ。 「ピンボケ……? ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
起きて来たことは、仏様の神通力だろうと信じます。末法の最初の五百年を巧みに二つに
使い分けをされたので、世界の統一は本当の歴史上の仏滅後二千五百年に終了すべきもの....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
か、詰めた生活をして恥を掻くようなことはあるまいか、胸の中でむす子が貰う学資金の
使い分けを見積りしていた。しかし、それよりも、むす子に向って次の靠れ壁から声をか....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
い哀れな声で、ものを言うのでありまするが、春葉君だと名代の良い処を五六枚、上手に
使い分けまして、誠に好い都合でありますけれども、私の地声では、ちっとも情が写りま....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いつもぴったり一|致するのが、こちらの世界の掟で、人間界のように心と姿とを別々に
使い分けることばかりはとてもできないのでございます。 兎も角も私は白衣姿で、先....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
教わったことはありません。むろん、絵具を買う余裕などもありません。ただ、白と黒の
使い分けで目にうつるものを描くだけでした。いま、彼が木炭筆で描いたばかりの大きな....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
具を使って夜陰に忍びこむのは女をつれていない時で、機にのぞみ、変に応じて、手口を
使い分けていたが、結局七ツ道具の有りふれた方法などを弄んだために失敗するに至った....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ものではない。武士は武士、公卿は公卿、ちゃアんと差別があった筈だ。それをいちいち
使い分けて原稿紙の上へ現わそうとするには、一年や二年の研究では出来ぬ。よしまたそ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
虹はそれを行なったのだが、なかには、口で喋りながら腹で囃をしたり、二様の言語を、
使い分ける達人などもあるそうなんだ。――実はこれこそ不在証明中の不在証明といえる....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
ずから、いくつかの団体のそれぞれの機能に応じて、自分の能力、義務、目的の合理的な
使い分けが必要だということ。
使い分けという言葉を日本人はすぐに妙な意味にとりたが....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
こぶの出汁を使わないようでありますが、ぜひとも、かつおぶしの出汁とこぶの出汁とは
使い分けして使うがよいと思います。こぶにしても、かつおぶしにしても、土産物にもら....
「どこで笛吹く」より 著者:小川未明
ありました。少年は熱心に美しい絵の具箱の中に収めてあるいろいろの絵の具を一つ一つ
使い分けて草を描いたり、また鳥などを描いたり、花などを描いたりしていました。 ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の弊害を矯めて舟筏の便の通ずるだけ河筋を通さねばなりません。これこそ平等と差別の
使い分けであります。この場合、特に差別を愛し、平等を憎み、あるいは平等を愛し、差....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
であり、賢王としての出現は現実の問題であり、仏は末法の五百年を神通力を以て二種に
使い分けられたとの見解に到達した。日蓮教学の先輩の御意見はどうもこれを肯定しない....