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「使い分ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

使い分けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
は平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分ける不思議な心の広さを持っていた。ある時には極端に涙もろく、ある時には極端....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
相好をくずしながら先へたって、どんどん歩きだしたものでしたから、いろいろに態度を使い分ける伝六のかわいさに右門はいっそう苦笑しながら、ちょうどそこに見つかった尾....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
好きなものなのよ。肯定は古くて否定は何か新鮮なように思うのね。生命の豊富な資源を使い分けるよりも、否定に片付いている方がむしろ単純で楽なんじゃない?」 「そう云....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
側には「自」反対の側には「他」と書いてある。私は時と場合とに応じてこの札の裏表を使い分ける事を教えられた。 見ているうちに私はこの雑多な品物のほとんど大部分が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って空飛ぶ鳥を打って落すように変化しました。穂先を三様に使い分け、槍の柄を二様に使い分けるのみならず、石突を返して無二無三に突いて引くかと見れば、飛び違いざまに....
聖家族」より 著者:堀辰雄
た。何も彼も知っているんだと言った風な…… ――扁理はそんな風に二通りの微笑を使い分けるのだ。子供のような微笑と老人のような微笑と。つまり、他人に向ってするの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いつもぴったり一|致するのが、こちらの世界の掟で、人間界のように心と姿とを別々に使い分けることばかりはとてもできないのでございます。 兎も角も私は白衣姿で、先....
科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
想的な引用ではない。必要なのは寧ろ、科学的な引用と随想的引用とを、厳重に区別して使い分けることにあるだろう。 さて私は引用について少し長く述べすぎたようだ、元....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、馬の鼻息を物ともせずに語りつづける。修練とは云いながら、鼻と口とを同時に器用に使い分けるもの。 「師匠にゃア妾もあるし、私たちには食わせないが、妾宅なんぞでは....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
虹はそれを行なったのだが、なかには、口で喋りながら腹で囃をしたり、二様の言語を、使い分ける達人などもあるそうなんだ。――実はこれこそ不在証明中の不在証明といえる....
澪標」より 著者:外村繁
》に朗読するのである。中には台詞廻しの上手な生徒もいる。有名な役者の声色を巧みに使い分ける生徒もいて、私は驚かされる。しかし中谷も、梶井も台詞廻しはあまり得意で....