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「使い手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

使い手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
されい」吉川隼人がいった。 未熟であるというのは、彼自身の謙遜で、一党の中では使い手である。しかし、新一郎には到底及ばぬ。 「拙者も、是非!」幸田八五郎がいっ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
も」 「いやいやまんざらそうでもあるまい。飯田の南条右近というは小野派一刀流では使い手だそうだ。その方の三男とあって見れば見下すことは出来ないではないか」 「論....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
彼奴《きゃつ》決して方術師ではなく、精々のところ手品使い、初歩の忍術《しのび》の使い手に過ぎない。かような女を召し抱えたは、お館にとって不幸だが、これとてやはり....
青春論」より 著者:坂口安吾
が敵に勝つにはどうすべきか。それが彼の剣法だった。 松平出雲守は彼自身柳生流の使い手だったから、その家臣には武術の達人が多かったが、武蔵は出雲守の面前で家中随....
安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
ことに変りはないが、かたわら生れ落ちると剣を握って念流を習っているから、それぞれ使い手なのである。 諸国の腕自慢の輩が武者修業の途中にちょッと百姓剣法をひやか....
釣り師の心境」より 著者:坂口安吾
いう達人は薄気味が悪いものだ。然し、このオカミサンは、数ある達人のうちでも一流の使い手で、女傑という感じであった。 伊勢甚の倅ぐらい、郷土愛に燃えている子供は....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
四十五六の苦味走った男。この煙山、野球のスカウトで名高いが、本来は、剣術と柔道の使い手、五尺四寸五分のあたりまえの背丈だが、ガッシリした体格だ。スカウトとしては....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の心眼はどうしたエ」 「ナニ。犯人はフランケンさ。顔は優しいが、根は西洋手裏剣の使い手だ」 「ハッハッハッハ。しかし、フランケンを見ているとこは、田舎通人にして....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
道には縁のない優男。ツカの根元までクラヤミの気配を狙って一刺しにできるのは相当の使い手でありましょう。剣術に手練の者は泉山先生の同門、志道軒一人のようです」 ....
花咲ける石」より 著者:坂口安吾
を取り立てにくる男に犬坂伴五郎という御家人があった。貧乏御家人だが剣では名のある使い手であった。ちかごろ江戸では田舎侍に腕の立つゴロツキが多くなって、吉原なぞで....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
右衛門様は――そう、編笠が取れましたので、そのご家来が尾張の藩中でも、中条流では使い手といわれる、西条様だということがわかりましたが、そう仰せられると、踏み込み....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
飛び起きざまに引き抜き、引き抜いた瞬間には敵を斬っていた、小野派一刀流では無双の使い手の、山岸主税は返り血を浴びずに、そこに聳えていた大楠木の幹を、背負うように....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
平手造酒は一礼した。それから悠然と立ち上がった。 千葉門下三千人、第一番の使い手といえば、この平手造酒であった。師匠周作と立ち合っても、三本のうち一本は取....
剣侠」より 著者:国枝史郎
分け合って慰め合えるではないか。足手まといになるどころか、妹は小太刀ではかなりの使い手、現にあの夜あんな場合に、簪を抜いて男の急所、陣十郎の足の甲を突いて、急難....
兄妹」より 著者:岡本かの子
―ええ、あれ、どう? ――いい娘ってんだろうなあ。 好い娘過ぎて「お米」は村で使い手が無かった。家の娘より美しい娘は負け惜しみの強い都会近在のこの土地では使い....