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「使い途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

使い途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
賞与をそれに当てることもできるはずだが、しかし、その金はもうとっくから、前もって使い途《みち》の割り当てがついていた。新しくズボンも作らねばならず、古い長靴の胴....
名人伝」より 著者:中島敦
むそう》の射の名人たる夫子が、弓を忘れ果てられたとや? ああ、弓という名も、その使い途《みち》も!」 その後当分の間、邯鄲の都では、画家は絵筆を隠《かく》し、....
狂乱」より 著者:近松秋江
れは、あんたも覚えているはずだ。私にとっては血の出るようなその金を、これと言って使い途のわからぬようなことに使って、今になってもまだそんなに借金がある。……私は....
石狩川」より 著者:本庄陸男
判りもせん船を待っとらねならん、宝ものにしておいた家の道具はみんな潮水に濡れて、使い途《みち》も無くなった、見んか」 母親は丸帯をからげて見せた。それがどれく....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
せぐための一つの港となるならば、あの家にもいくらかの意味があった。多計代が反対の使い途を考えて、前崎へ行ったとは伸子に想像されなかった。 伸子は親たちと家屋や....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に似て底がなく、竹でもなく、木でもなく、金でもなく、石でもなく、名も知れなければ使い途も知れなかった。店に置くこと数年、誰も見かえる者もなかった。 ある日、商....
火薬船」より 著者:海野十三
わるいだけのことで、品質にはかわりないといったところ、ポーニンは、それなら自分の使い途にはさしつかえないというので、近日はっきり注文すると約束をしてくれました」....
狼疾記」より 著者:中島敦
また、別の話だ。俺たちは今そんな事を考える必要はない。それに、それはいわば、金の使い途《みち》に頭を悩ます金満家の贅沢《ぜいたく》ではないか、と当時の三造は、そ....
未来の天才」より 著者:豊島与志雄
を仕上げてみるつもりだと云った。指輪や大島は、伯父から送ってきた金の残りで、別に使い途がなかったから買ったのであって、感謝のしるしまでに前以て差上げたのだと云っ....
村芝居」より 著者:井上紅梅
晩に帰る交通機関で、決してよそ事には使えなかった。そのほか小船はあるにはあるが、使い途にならない。隣の村に人をやって訊いてみたが、もうみんな約束済であいてる船は....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
た。実に金銭有用なものはなく、また金銭無用なものはないのであって、いったん無用の使い途に入ると、かくの如く人を堕落せしめる。 それゆえ、子孫のために美田を買わ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
身の一番悪い処を買って良い処を捨《すて》てしまう。赤い処でも上等のロースなら外に使い途《みち》があるけれども、白い処は煮るほど美味くなるのだ。もしや豚の肉を湯煮....
食道楽」より 著者:村井弦斎
《さ》して行って湯煎《ゆせん》にして暫らく攪《か》き廻《まわ》したのです。白身の使い途《みち》が外になかったら泡立ててその中へ加えてもようございます。このカスタ....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
木の多い国であったが、国が栄え、人の数がふえるにつれて、家具にも家の柱や梁にも、使い途がますます増加してきて、りっぱな木をそいで板だけをさしかえて、多くの小石を....
私の見た大学」より 著者:戸坂潤
理し進展させる文化的技術がない。処が又大学アカデミーは、文化的技術は有っていても使い途が明らかになっていないから、盲目的なテクニシャンしか産まない。研究室の若い....