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「例える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

例えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
加護」より 著者:宮本百合子
とう、お恵さんを天理教の信者、少くとも信心への第一歩を踏み出させたお幾の悦びは、例えるものもないという風に見えた。 友達に会うと、彼女は一人一人に、 「まあ今....
弟子の心」より 著者:宮本百合子
慾し、活動する生存とし、左右から見られ、切り下げられ、探究されるよろこばしさは、例えるに物がなかった。 心理学と云う学問そのものが珍しかったことは争えない。然....
茶色っぽい町」より 著者:宮本百合子
な、充分燦きがさし徹し切れないようなほこりっぽいところがあるのだろう。布地にでも例えると、茶色っぽい綿モスリンのような雰囲気――つまり、どんなに燈灯が軒なみに輝....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
大なる原因である。百貨店は万事が積極的であるに対し、小商店は消極的である。これを例えるならば、百貨店は大英帝国であり、小売店はあたかも印度の如しとも言えるのであ....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
込み天帝の擁護ある限り最後に勝つと信じているからです。 で、宗徒軍の強さ加減は例えるに物の無い有様でした。然に不思議の事には、それほど難攻不落であった其原ノ城....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
ように残されていた。 そうしてその頃にはお紅の裸身は、浴槽の中に埋もれていた。例えることが許されるなら、浴槽の中の緑色の湯は、紺碧をなした潮であり、それに埋も....
河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
とよりてんぷら、うなぎ、すしなど問題ではない。 無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳や大観の美味さではない。靫彦、古径でもない。芳崖、雅邦でもない....
凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
ぞれ不幸を抱いている。それより冷徹した冬の大空を昇る月のように――この月に自分を例える時には彼女はいつも涙ぐましいほど浄化された気持になれた――自由に純潔であり....