例に洩れず[語句情報] » 例に洩れず

「例に洩れず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

例に洩れずの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
。バナナの皮を踏んだものは、大抵ツルリと滑べることになっているが、この紳士もその例に洩れずツルリと滑ったのであるが、尻餅をつく醜態も演ぜずに、まるでスケートをす....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
ばらく係り合っていたという噂と照らし合わせてみても、すべてのモダアンな若い女性の例に洩れず、そうした外人にある憧憬をもっていたものと見てもよかった。――とにかく....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
大らかな愛護の中に混ぜ合わせて、彼を育てたのである。 こういう境遇に生れた子の例に洩れず、正隆は生れた時から虚弱であった。 何かというと直ぐ痙攣《ひきつけ》....
反逆」より 著者:矢田津世子
。 夏になると毎夜の如く到るところで路傍説教が始まった。 聖ヨハネ教会もその例に洩れず、信者達は三班に分れてビラを配り乍ら街をねった。今年は特別の熱意をもっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、最も好意ある失笑を以て報われないという例《ためし》はないのです。 今もその例に洩れず、まじめに狼狽しはじめたグロテスクの存在が、ハッキリと浮き出したために....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありましたから、お角さんは、それを気の知れないことだと思います。 今日も、その例に洩れず、お角が神宮に長いこと拝礼の時間をとっている間に、お銀様はふいと、境内....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
り、宅地そのものは南向きで、北は今出川の通りまでぬけておった。一般の公卿の邸宅の例に洩れずして、往来に面した方は土塀すなわち築地をもって囲われ、その築地の外側に....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
他には、まだ詮索すれば、謙吉の不満もあったが……。 それは、世の常の養子の例に洩れず、まだおゆうの名義に電話までがなっていることだ。 ちょうど四年まえ、....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
か、おおかた使用をする面のような、端正の顔をしているものであるが、嘉門の顔もその例に洩れずに面のように端正であった。「中将」という面があるが、嘉門の顔はそれに似....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
で眠い目をこすって居た二人の女中はすぐ部屋に引取り、夜具を出して、大抵な奉公人の例に洩れず、直ぐに健康な眠りに陥りました。 暫くして年上のお種という女中が、ふ....
死者の権利」より 著者:浜尾四郎
に、春一はとうとう飛んでもない事件を惹き起してしまいました。 勿論、道楽息子の例に洩れず、それまでにも春一はカフェーの女や、芸者等と、何のかのといわれて、随分....
京都の朝市」より 著者:柳宗悦
纂の「辞苑」であったかと思う。 併し段々この言葉が社会に広まるにつれ、いつもの例に洩れず、間違った使い方をしたり、とんでもない意味に流用したり、又興味本位でこ....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
のに思案させる物はないとみえる。 「児島高徳」では、いろんな御寄書をいただいた。例に洩れず、家系、史蹟、口碑が多い。 健吉さんに嘱して載せた高徳の肖像画も、元....