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例刻
「例刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
例刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
くなったからぐうぐう寝《ね》てしまった。あくる日は思う仔細《しさい》があるから、
例刻より早ヤ目に出校して山嵐を待ち受けた。ところがなかなか出て来ない。うらなりが....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
け覘《ねら》った本人がやっと今電車を降りたのだと断定しない訳に行かなかった。彼は
例刻の五時がとうの昔《むか》しに過ぎたのに、妙な酔興《すいきょう》を起して、やは....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
キンまい》を食う。万事|昨日《きのう》の通りだから、省《はぶ》いてしまう。九時の
例刻を待ちかねて病院へ出掛ける。病院は一昨日《おととい》山を登って来る時に見た、....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
ら、ここが厭《いや》なら遼東《りょうとう》ホテルへでも行けと云って帰って行った。
例刻に食堂へ下りて飯を食ったら、知らない西洋人といっしょの卓《テーブル》へ坐らせ....
「道草」より 著者:夏目漱石
う》も雨具も着けずに、ただ傘を差しただけで、何時もの通りを本郷《ほんごう》の方へ
例刻に歩いて行った。すると車屋の少しさきで思い懸けない人にはたりと出会った。その....
「門」より 著者:夏目漱石
れもこれも悠《ゆっ》たりと落ちついているように見えた。宗助は腰を掛けながら、毎朝
例刻に先を争って席を奪い合いながら、丸の内方面へ向う自分の運命を顧《かえり》みた....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
はやく病院に行って見てもらおうなどと考えているうちに寝てしまった。 あくる日も
例刻に学校へ行って講義を聞いた。講義のあいだに今年の卒業生がどこそこへいくらで売....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
りんご》より旨《うま》いものだ。 翌日《あくるひ》は学校が午《ひる》ぎりだから
例刻を待ちかねて麻布《あざぶ》まで車代二十五銭を奮発して老人に逢って見る。老人の....
「家」より 著者:島崎藤村
父だ。その日は、お房が入院してから一週間余に成るので、森彦も病院へ見舞に寄って、
例刻よりは早く自分の娘の方へ来た。 「阿父さん」 とお延は出て迎えた。 郷里....
「蒲団」より 著者:田山花袋
土のような顔に大きい鋭い目を明いて、戸外に降り頻る雨をじっと見ていた。 時雄は
例刻をてくてくと牛込矢来町の自宅に帰って来た。 渠は三日間、その苦悶と戦った。....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
り。田崎は例のごとく日々来たりては、六畳の一間に控え、例のごとく事務をとりてまた
例刻に帰り行く。型に入れたるごとき日々の事、見るもの、聞くもの、さながらに去年の....
「伸子」より 著者:宮本百合子
うようにすればいい。夕飯を皆でたべてから、後はお前達二人の都合にすればよかろう」
例刻に病院から帰ると、玄関の沓脱石《くつぬぎいし》に、黒革の半靴が、きっちり揃え....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
隅に入れ、犬と食事を共にし、祈りを共にして、その夜の眠りに就きました。 翌朝、
例刻にめざめて、例の通りまず主人の部屋を訪れて見ると、昨日は固く鎖《とざ》された....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 それとは知らず道庵先生は、宵《よい》からグッスリと寝込んでしまって、翌朝、
例刻には眼を醒《さま》したけれども、昨日《きのう》の疲れもあるし、第一、水をかけ....