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「侍童〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

侍童の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
クララの出家」より 著者:有島武郎
窓枠に、両膝は使いなれた樫の長椅子の上に乗っていた。彼女の髪は童女の習慣どおり、侍童のように、肩あたりまでの長さに切下にしてあった。窓からは、朧夜の月の光の下に....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の衣裳を身に纏い、自然木の杖をつき、長い白髯を胸へ垂れた、飄逸洒落な老人と、その侍童の菊丸とが、富士山麓鍵手ヶ原の、直江|蔵人の古館へ、一夜のやどりを乞うた晩、....
古き小画」より 著者:宮本百合子
かの凶兆らしいいやな予感を持たせた。ガワは、もう数年、スーラーブの手廻りに仕えた侍童であった。それが、幸先よかるべき今朝、死んで見出されたとは何事だろう。これは....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
ます。私はたゞ舵をとっていればいゝわけでした。彼女等があおぐのに疲れると、今度は侍童たちが口で帆を吹くのです。すると、私はおも舵を引いたり、とり舵を引いたりして....
十二支考」より 著者:南方熊楠
エトルリアの地獄王キャルンは槌を持つ。本邦にも善相公《ぜんしょうこう》と同臥した侍童の頭を疫鬼に槌で打たれ病み出し、染殿后《そめどののきさき》を犯した鬼が赤褌に....
源氏物語」より 著者:紫式部
。随行者たちももう寝たようである。紀伊守は愛らしい子供を幾人も持っていた。御所の侍童を勤めて源氏の知った顔もある。縁側などを往来《ゆきき》する中には伊予守の子も....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。院の預かり役の息子《むすこ》で、平生源氏が手もとで使っていた若い男、それから侍童が一人、例の随身、それだけが宿直《とのい》をしていたのである。源氏が呼ぶと返....
源氏物語」より 著者:紫式部
に知れてはきまりが悪いね、こんな体裁で来ていて」 などと、源氏は言った。美しい侍童などがたくさん庭へ出て来て仏の閼伽棚《あかだな》に水を盛ったり花を供えたりし....
源氏物語」より 著者:紫式部
彩以上のものがあった。自然な気分の多い楽しい会であった。中将の子で今年から御所の侍童に出る八、九歳の少年でおもしろく笙《しょう》の笛を吹いたりする子を源氏はかわ....
源氏物語」より 著者:紫式部
り台、敷き物は紫地の唐錦《からにしき》、帛紗《ふくさ》は赤紫の唐錦である。六人の侍童の姿は朱色の服の上に桜襲《さくらがさね》の汗袗《かざみ》、袙《あこめ》は紅の....
源氏物語」より 著者:紫式部
身用に作らせてあったよい直衣に、その下へ着る小袖類もつけて中将の供をして来ていた侍童に持たせてやった。中将は自身の居間のほうで念の入った化粧をしてから黄昏時も過....
源氏物語」より 著者:紫式部
持ちがしまいに抑えきれずに、美しい桜の枝をお折らせになって、お供に来ていた殿上の侍童のきれいな少年をお使いにされお手紙をお送りになった。 山桜にほふあたりに尋ね....
源氏物語」より 著者:紫式部
として特別な人を宮はお選びになったのではなく、これまで宇治へ文使いの役をしていた侍童だったのである。これはわざとだれにも知られまいとの宮のお計らいだったのである....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
甚だしく身振いするものだと信ぜられていたらしい。今昔物語十九に、左大臣藤原師尹の侍童が、大臣秘蔵の硯を破って恐れ慄く状を記して、「護法のつきたる者の様に、振ひて....
山の人生」より 著者:柳田国男
に迷惑をかけたといえばかけたのである。和納の楞厳寺で文字を習い、国上の寺に上って侍童となるまでは不良少年でも何でもなかった。茨木童子の故郷も摂津にある方が正しい....