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侘びる
「侘びる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
侘びるの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
を三吉の胸に残した。 三吉は東京の方の空を眺めて、種々な友達から来る音信を待ち
侘びる人と成った。学校がひける、門を出る、家へ帰ると先ず郵便のことを尋ねる。毎日....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
出席の必要なし、とでも云って来たらどうだろう! 昨夜から、真剣に良人の帰京を待ち
侘びるゆき子は、思っただけでも慄《ぞ》っとした。 廊下に通じる扉が開く度に、ゆ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の本流の方をしきりに注視していましたが、そのうちに、向う岸の渡頭に集まって舟を待
侘びる士農工商の群れが、急に動揺をはじめたような模様が見えます。同時にその舟待ち....
「死者の書」より 著者:折口信夫
に動いている。 都から来た人たちの中、何時までこの山陰に、春を起き臥すことか、と
侘びる者が殖えて行った。廬堂の近くに掘り立てた板屋に、こう長びくとは思わなかった....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
電報は櫛の歯を引く如く東京に発せられた。一電は一電よりも急を告げて、帰朝を待
侘びる友人知己はその都度々々に胸を躍らした。 五月十日、船は印度洋に入った。世....