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供出
「供出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
供出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
戦国のわれわれのみじめさを感ず。 ◯農村に米なく、大さわぎになるとか。今度からの
供出は、多分承知しまいであろうと思われるとの事。そうなれば一大事だ。 ◯今夜の清....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
第一、日本刀で銃砲火薬店をおどかしてからでなければ、本当の武器らしい武器が提
供出来ないというような段取りは、血盟団事件や五・一五事件の夫に較べて、何かに類す....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
は、勅命で、私のために、村々から毎朝牛六頭、羊四十頭、そのほかパン、葡萄酒などを
供出するよう、命令されました。 それから、六百人のものが、私の御用係にされ、私....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
もない。つまり中世的原人だ。貴族の権力に追いまくられて脱税逃亡、戸籍をごまかし、
供出をごまかし、あらゆる手をつくしてゴマカシまわり、徒党をくんでタバコを買い占め....
「餅のタタリ」より 著者:坂口安吾
当主助六は戦争中に杉の木にシメナワをめぐらして神木に仕立ててしまった。そして無事
供出をまぬがれるとともに、シメナワをはるわけにいかない隣家の円池を見下して、杉の....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
て最高価格が多くの場合に定められており、そして農民は都市にその穀物を一定の価格で
供出させられている。すべての大都市で穀価を低くしておくことは、トルコの政策の公理....
「火の扉」より 著者:岸田国士
、時としてあさましく思われた。 向うから牛車が一台、うず高く米俵を積んで来る。
供出の新米であろう。 「ご苦労さま」 と、彼女は道を譲りながら引き子に声をかけ....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
自体の生活の向上ということが考えられていたわけではないから、税が甚だ重い。今日の
供出と同じことで農民は不平であり、大いに隠匿米もやりたいであろうが、今日と違うと....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
勢からは建国当初海産物の貢物が夥しかったというが、これも猿田彦のニラミで、ムリに
供出させたのかも知れん。だいたい日本神話というものは、民間伝承から取捨選択し、神....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
った。が、よしんば二人が要領のよい厚かましい兵隊であったところで、隊長の酒の肴を
供出するような農民は昭和二十年の八月にはもういなかった。 「こんなスカタンな、滅....
「回想録」より 著者:高村光太郎
たもので、一寸ドナテルロ風な物凄い彫刻である。松戸の学校の庭に建っていたが、此度
供出した。それから女子大の成瀬仁蔵先生を拵えたが、これは暇がかかって十七年かかっ....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
わが輩の首が継がるとあれば大した負担でもない。 小みどりの母に、奉行所から、娘
供出の指令が到着した。仙公狸は、すぐにこれを伝え聞いて、仰天したのである。 自....
「米」より 著者:犬田卯
ところが今年はその肝心の麦が自分勝手に売却することが出来ず、産組へ集めて、政府へ
供出するのだという。そして麦俵は出したが、金が……実に、その金がまだ渡って来なか....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
らないけれど、いずれむくでしょうから」 「金や銀なら今頃まで残っていませんわよ。
供出させられてますから、オホホホホホ」 誰でも一度はこの寝観音に眼をとめるらし....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
によって会員其他の学徒に研究発表機関を確保すると共に、間接に生活地盤の一端をも提
供出来たならば、と思うのだ。 処で、今日まで唯研を経営して来るのに、直接心掛か....