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供待ち
「供待ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
供待ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新世帯」より 著者:徳田秋声
前愛された旧主の門まで来て、ちょっと躊躇した。 門のうちに、綺麗な腕車が一台|
供待ちをしていた。 お作はこんもりした杜松の陰を脱けて、湯殿の横からコークス殻....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
手も足も出ない与吉。それでもまあどうやら丹波の御機嫌を取りなおして、妻恋坂道場の
供待ち部屋にごろっちゃらしながら毎日、麻布林念寺前の柳生の上屋敷のあたりをうろつ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
とに強くなっていた。守衛たちがそこにかたまっていた。
「甚助――」と彼は呼んだ。
供待ちの設備が無かったので、甚助は彼らのうしろで遠慮ぶかく手をあぶっていた、話し....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
が、一層鮮かに、冷たい風が、あるか無きかに流れている。
供男《ともおとこ》は、
供待ちで、これも一口|馳走《ちそう》になったと見えて、浪人に脅かされて以来、びく....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
して見たが、松の前栽に隠されて玄関さえも見えなかった。 「別にご来客もないかして
供待ちらしい人影もない。……お師匠様にはご在宅かそれとも御殿へお上がりか? 久々....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
ませぬとポンと突き退け二の矢を継がんとするお霜を尻目にかけて俊雄はそこを立ち出で
供待ちに欠伸にもまた節奏ありと研究中の金太を先へ帰らせおのれは顔を知られぬ橋手前....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
そりみ》になる気味あり。下唇の出《い》でたるだけに。はたしておしゃべりなりとは。
供待ちの馬丁《べっとう》の悪口。総じていわば。十人並みには過ぎたるかたなり。前の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
伸をかみころしていたような顔を、大小名の溜りの間から、廊の西陽のうちに現わして“
供待ち”にいる郎党の名を呼んでいた。 溜りに詰めている大名たちの、強がり話や、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いそいで行った。 この日の五条総門は、もと薔薇園の辺から主典ノ辻、車大路まで、
供待ちの馬や車でいっぱいだった。 「はて、遅刻かな?」 外の雑鬧にひきかえ、庁....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
こらの家中の侍たちへ師直は小声で何かいい残していた。「――佐々木殿の供の衆には、
供待ち部屋で、酒食を振舞うておくがいい。こちらは夜に入るかもしれんでな」――そん....