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供養
「供養〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
供養の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
律師様《りっしさま》が嵯峨《さが》に阿弥陀堂《あみだどう》を御建てになって、その
供養《くよう》をなすった時の事でございます。その御堂《みどう》も只今は焼けてござ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
はまだ一通り、嫌《いや》でもこう云ういきさつを思い出す必要がある。――渡辺の橋の
供養の時、三年ぶりで偶然袈裟にめぐり遇った己は、それからおよそ半年ばかりの間、あ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
時には、牧牛《ぼくぎゅう》の女難陀婆羅《むすめなんだばら》の、乳糜《にゅうび》の
供養《くよう》を受けられたではないか? もしあの時空腹のまま、畢波羅樹下《ひっぱ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
に、筵に乗せられて、波に流されました時、父親の約束で、海の中へ捕られて行く、私へ
供養のためだと云って、船の左右へ、前後に、波のまにまに散って浮く……蓮華燈籠が流....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
といへる僧に命じ、一切経書写の事を司らしむ。三千日が間、能書の僧数百人を招請し、
供養し、これを書写せしめしとなり。余もこの経を拝見せしに、その書体|楷法正しく、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の目にこぼれた針は、奈落へ落ちて地獄の山の草に生える。で、餓鬼が突刺される。その
供養のために、毎年六月の一日は、氷室の朔日と云って、少い娘が娘同士、自分で小鍋立....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
つ。火を点じて後、窓を展きて屋外の蓮池を背にし、涼を取りつつ机に向いて、亡き母の
供養のために法華経ぞ写したる。その傍に老媼ありて、頻に針を運ばせつ。時にかの蝦蟇....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
御法の声。 「……我常住於此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広
供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心……」 白髪に尊き燈火の星、観音、そこにおはし....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
た。 能がかりか、何か、白の鱗の膚脱ぎで、あの髪を颯と乱して、ト撞木を被って、
供養の鐘を出た時は、何となく舞台が暗くなって、それで振袖の襦袢を透いて、お珊さん....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
へ来て、仁右衛門|爺様に、アノ威張った髯題目、それから、志す仏の戒名、進上から、
供養の主、先祖代々の精霊と、一個一個に書いて貰うのが例でね。 内ばかりじゃない....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
一足|違に内を出て、女子扇と御経料を帯に挟んで、じりじりと蝉の鳴く路を、某寺へ。
供養のため―― 「沼さ行ぐ道はこれを入るだよ。」 と正吉が言う処を、立直って見....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
羅蜜。具足円満、平等利益――南無妙……此経難持、若暫持、我即歓喜……一切天人皆応
供養。――」 チーン。 「ありがとう存じます。」 「はいはい。」 「御苦労様で....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ざと同一扮で、お縫が附添い、身を投げたのはここからという蓬莱橋から、記念の浴衣を
供養した。七日経ってちょうど橘之助が命日のことであった。 「菊ちゃん、」 「姉さ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
らけでしょう。雀わなじゃアありません。いろ鳥のいろいろに、稗粟を一つかみ、縁へ、
供養、と思って、出て、雪をかついで雪折れのした松の枝かと思う、倒れている人間の形....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
、四人集まっていた。がそんなことはどうでもよい。それよりも僕を驚かしたのは膃肭獣
供養塔というものの立っていたことである。僕はぼんやりこの石碑を見上げ、何かその奥....