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便乗
「便乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
便乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
黒船に近づこうとしたけれども、それも毎船|与力《よりき》が乗り込んで行くために、
便乗する機会はなかった。 八日の日には、メリケン人が横浜村へ上陸したときいたの....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
バン一個《ひとつ》につめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。村の者の荷船に
便乗する訣でもう船は来て居る。僕は民さんそれじゃ……と言うつもりでも咽《のど》が....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
した。そして護衛艦の一隻が今日、アイスランドへ引返すことになっているから、それに
便乗して行ったがいいだろうといって呉れた。そして博士はドレゴがなぜ急に予定を変更....
「俊寛」より 著者:菊池寛
かった。島人には、言葉不通のため、ききあわすべき、よすがもなかった。そのうちに、
便乗してきた商人船の出帆の日が迫った。今は俊寛が生活した旧跡でも見たいと思って、....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
ほど」 帆村はうなずいた。もっともな話である。帆村荘六は通信社から特にたのんだ
便乗者にすぎない。隊の幹部ではない。 「それで隊長は当日、ガスコ氏をこの艇内へ案....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
れそうだった。 しかし結局、隆夫のおかげで、治明博士はインドシナへ向う貨物船に
便乗《びんじょう》することができた。それはロザレの隆夫を聖者に仕立て、すこしもも....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
宣伝を怠らず、その実一度だって捕えたこともなく、つまりは袋探偵は余輩天駆の名声に
便乗し虚名をほしいままにしているのだとある。 これに対して、探偵袋猫々は曰く、....
「旧作」より 著者:上村松園
て、 「あれはどうも……何しろ昔の作品ですからネ……」 などと空うそぶいている
便乗作家の多い現代の中にあって、右の作家の態度こそ、 「さすがは、一時代の大家と....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
き南方に向うものなれば、旅客や貨物を載すべきものにあらず、しかるを余はいかにして
便乗せしかと云うに、ちょうどモロッコ国マザガン港の桟橋に達せし時、この異様なる船....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
コ出帆の竜田丸に乗り後れたならその運動に間に合わない。で、竜田丸の船長あてに是非
便乗を頼むという電報を打って、郵便飛行機に乗って飛んで来た。 所が出港の時間が....
「鬼」より 著者:織田作之助
の放送劇も二つ三つ書きだしているうちに、その方でのベテランになってしまい、戦争中
便乗したわけでもなく、また俗受けをねらう流行作家になったわけでもないのに、仕事の....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
その次第は、たとえば幕府にて始めに使節を米国に遣わしたるとき、彼の軍艦|咸臨丸に
便乗したるが、米国のカピテン・ブルックは帰国の後、たまたま南北戦争の起るに遇うて....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
るんですか」 「右翼になった方が、戦争をしている以上便利なんだろうね」 「すると
便乗ですね」 「まア、そんなところだ」 「じゃ、左翼も左翼はなやかなりし時代には....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
らに送られて心淋しくも露都を出発し、伯林を迂廻して倫敦に着し、郵船会社の加茂丸に
便乗したのが四月九日であって、末永支配人に船まで送られて、包むに余る万斛の感慨を....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
したので、市民は初めて外国兵が北京に入城した事を知ったのは二十三日である。それに
便乗して土匪が数百家を荒し尽したが北城は何の事もなかった。ここは日本兵が占領して....