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便宜
「便宜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
便宜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
いべつ》せずにはいられないであろう。が、僕にいわせれば、あらゆる結婚の形式はただ
便宜《べんぎ》に拠《よ》ったものである。一夫一妻の基督《キリスト》教徒は必ずしも....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
いと云う事、そのほか日頃私の希望している東京遊学のごときも、結婚した暁には大いに
便宜があるだろうと云う事――そう事をいろいろ並べ立てて、根気よく私を説きました。....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
あの女に会ったのは、大学病院へやって来た時に、若槻にもちょいと頼まれていたから、
便宜を図ってやっただけなんだ。蓄膿症《ちくのうしょう》か何かの手術だったが、――....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
賤《ろうにゃくきせん》が集まっている所だけに、敵の手がかりを尋ねるのにも、何かと
便宜が多そうであった。そこで彼等はまず神田の裏町《うらまち》に仮の宿を定めてから....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
いると云う、まあ仲々の事業家なのです。そんな関係上、私も一二度稲見のために、ある
便宜を計ってやった事がありました。その礼心《れいごころ》だったのでしょう。稲見は....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
街樹の養成とである。自分はこの点において、松江市は他のいずれの都市よりもすぐれた
便宜を持っていはしないかと思う。堀割に沿うて造られた街衢《がいく》の井然《せいぜ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
その窓際の壁へよせて、更紗《さらさ》の布《ぬの》をかけた机がある。もっともこれは
便宜上、仮に机と呼んで置くが、実は古色を帯びた茶ぶ台に過ぎない。その茶ぶ――机の....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
られぬげに見え申した。されば、翁も心安う見参《げんざん》に入り、聴聞の御礼申そう
便宜を、得たのでござる。」
「何とな。」
道命阿闍梨《どうみょうあざり》は、不....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》うべき、――しかし壮厳な我我の愚昧に依ったのである。
修身
道徳は
便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。
*
道徳の与えたる恩....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
う》の同情を表《ひょう》すると共に、賢明なる三菱《みつびし》当事者のために夫人の
便宜《べんぎ》を考慮するに吝《やぶさ》かならざらんことを切望するものなり。……」....
「或る女」より 著者:有島武郎
もなれば、少し気の毒だけれども木村を自分の鎖から解き放さずにおくのが何かにつけて
便宜でもある。葉子はしかし前の理由はおくびにも出さずにあとの理由を巧みに倉地に告....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
とができないと感ずる種類の人である。第三の種類に属する人は、自分の芸術を実生活の
便宜に用いようとする人である。その人の実生活は周囲の実生活と必ずしも合理的な関係....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
無数の名称はこの本能を意味すべく構出されたものであるかも知れない。然し私は自分の
便宜の為めに仮りにそれを愛と名づける。愛には、本能と同じように既に種々な不純な属....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
もまともに俺の姿を見ることはできぬのじゃ……。が、折角の依みとあって見れば何とか
便宜を図って上げずばなるまい。兎も角も母人を瀑壺のところへ連れてまいるがよかろう....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
者に知り合いの出来たことは非常に都合が好く、自分の研究を大陸に知らせるにも非常な
便宜を得た。ことにフランスではアカデミー(Academie)の出来たてで、その会....