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便宜的
「便宜的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
便宜的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
は従来勢力のあったマッハ一派の感覚即実在論に反対して、科学上の実在は人間の作った
便宜的相対的のものでなくもっと絶対的な「方則」の系統から成立した実在であると考え....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
の心理を理解しないのではない、ただいわゆる社会記事の「定型」というものが、各種の
便宜的必要からおのずからきまってしまって、それによらないわけには行かないためだと....
「科学論」より 著者:戸坂潤
之で良いならば、結局ここでも、哲学は何等の独特な意義を持てないわけであって、単に
便宜的に書物の名前か集合名詞としてでも使われるだけの、一片の言葉となって了うだろ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
どは決して決定出来るものではない。だから又新聞紙の内容の分類は今の場合さし当り、
便宜的であらざるを得ない*。 * 新聞紙面は普通、政治欄・文芸欄・商業欄・広告欄....
「現代科学教育論」より 著者:戸坂潤
学的な直覚とか、物理学的直覚とか、化学的な直覚とか、数学的直覚とか、という区別を
便宜的に仮定してもいいだろう。読書的な理性と観察的な理性のタイプを区別してもいい....
「理想の女」より 著者:坂口安吾
は思想そのものではない。思想家が、その思想の解説の方便に小説の形式を用ひるといふ
便宜的なものではない。即ち、芸術といふものは、たしかに絶対なもので、小説の形式に....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
下) 恋愛のような人生の至宝に対しては、私たちはでき得る限り、現実生活の物的、
便宜的条件によって、妥協的な、平板なものにすることをさけて、その精神性と神秘性と....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
試合とかいうのも、世界の現状が国家単位であったり、チームが学校に属しているからの
便宜的な区分で、スポーツは本来、個人的なもの(チームをも個とみて)である。現状に....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
違うかのような誤りを前提として思考するようになったのであろう。こういう一括的な、
便宜的な見方がジャーナリズムから発生したなら話は分るが、世代論という珍奇な愚論は....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
。吾人は生れ落ちて以来馴れ切っている周囲に対して、ちゃんと定まった、しかも極めて
便宜的な型や公式ばかりを当て嵌めている。朝起きて顔を洗う金盥の置き方から、夜寝る....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
すことである。 すなわち、政治問題であるかぎりにおいて、この戦争責任の問題も、
便宜的な一定の規準を定め、その線を境として一応形式的な区別をして行くより方法があ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
目標がなければ、それに対する十分な努力や適切な工夫が生れるはずはない。すべては、
便宜的に、それぞれの場所で通用すればよいという、ごく大ざっぱな標準で、われわれは....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
本なしに演じる芝居」の代表的な様式である。 名称というものは、すべて、得てして
便宜的なものである。 「演劇」のいろいろな「かたち」に与えられた名称も、あるもの....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
世というのは鎌倉時代・吉野時代・室町時代そして安土桃山時代の始まるまでを包括して
便宜的に使った名称である。この時代は平安時代の伝統を承け継いで、全く京都の宮廷を....
「寺町」より 著者:岩本素白
はなくともこうした朝早くの葬式は、やはり見送る人々の仕事の都合や何かを顧慮した、
便宜的な質素な葬式なのであろう。然しお祭騒ぎをされずに、瑞々しい若葉の朝を、きわ....