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便衣
「便衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
便衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
って、或る秘密研究に従事している国宝のように尊い学者だった。さてこそ、門前には、
便衣に身体を包んだ憲兵隊が、それとなく、厳重な警戒をしている有様であった。 戸....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
持つことだ。 陳は、蒋介石の北上と共に、だん/\はいりこんで来た南軍の密偵と、
便衣隊について調べるため街に出かけたのだ。そこで、金を持っている人間から、金をく....
「李陵」より 著者:中島敦
でもはや前進も不可能になった。 その夜、李陵は小袖短衣《しょうしゅうたんい》の
便衣《べんい》を着け、誰もついて来るなと禁じて独り幕営の外に出た。月が山の峡《か....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ど格の下の親分であったに相違ない。落伍者や敗残者だけが下宿するにふさわしい家で、
便衣隊の隠れ家には適しているが、まア、
便衣隊の小隊長格の親分だったのだろう。 ....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
アリアリ思いだした。支那で見た少尉だ。大学をでたばかりの鬼少尉だ。人斬り少尉だ。
便衣隊の容疑者とみると有無を云わさず民家の住人をひッたてて得意の腰の物で首をはね....
「冒した者」より 著者:三好十郎
んぞに戦さあ出来るもんか。人が殺せるもんか。年中俺をなぶり者にするんだ。そこい、
便衣隊が三人つかまった。共産軍の、まだ十七八の青年だ。おめえにくれてやるから、や....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
めるものの捜査の主任は、例により一色右馬介が命ぜられていた。右馬介はあの雲水姿を
便衣として、手下も使い、ここ数日それに奔命していたが、 「なんとしても、お一ト方....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
第五列を都へ送って、後方|攪乱の実を上げていた折でもあった。 もっとも、乱波(
便衣隊)の暗躍は、こんどに限ったわけではない。足利家が幕府を都にすえてからは、の....