»
促
「促〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
促の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
せかれた小路《こうじ》の中で、とめどもなくわき返った。――次郎は、こういう勢いに
促されて、いつか二人の侍と三頭の犬とに追われながら、小路を南へ少しずつ切り立てら....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
えなかった。のみならず妾宅に置いてあった玄鶴の秘蔵の煎茶《せんちゃ》道具なども催
促されぬうちに運んで来た。お鈴は前に疑っていただけに一層彼に好意を感じた。
「就....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
どうかまげて、一つ御承諾を。」
鼠小僧はここに至って、たちまちまた元の原稿の催
促へ舞い戻った。が、この慣用手段に慣れている馬琴は依然として承知しない。のみなら....
「春」より 著者:芥川竜之介
開《ひら》かなかった。広子は妹の沈黙を話し悪《にく》いためと解釈した。しかし妹を
促《うなが》すことはちょっと残酷《ざんこく》な心もちがした。同時にまたそう云う妹....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
すか。」
ほど経て平太夫《へいだゆう》が、心配そうに、こう相手の言《ことば》を
促しますと、摩利信乃法師《まりしのほうし》はふと我に返ったように、また元の静な声....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
車を駆りたいとさえ思っていた。そこで私は頭を下げながら、喜んで「どうぞ」と相手を
促した。
「じゃあすこへ行きましょう。」
子爵の言《ことば》につれて我々は、陳....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
へ行くと、莫迦《ばか》に好い※《におい》がするじゃありませんか?」
叔母は答を
促すように、微笑した眼を洋一へ向けた。
「ありゃさっきお絹ちゃんが、持って来た香....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
」
老紳士は赤くなった顔に、晴々《はればれ》とした微笑を浮べて、本間さんの答を
促した。
「…………」
本間さんは当惑した。自分はどちらを信ずればよいのであろ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
治修はじっと三右衛門を眺めた。三右衛門は何とも答えずにいる。治修はもう一度|
促《うなが》すように、同じ言葉を繰り返した。が、今度も三右衛門は袴《はかま》へ目....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
挙げて、女の言葉を遮《さえぎ》りながら、まずこの子を捨てた訳を話して聞かすように
促しました。すると女は不相変《あいかわらず》畳へ眼を落したまま、こう云う話を始め....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ります。
「扨《さて》『半肯定論法』とは大体上の通りでありますが、最後に御注意を
促したいのは『それだけだ』と言う言葉であります。この『それだけだ』と言う言葉は是....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
「では空腹が直ったら、都《みやこ》の便りでも聞かせて貰おう。」とわたしの話を御
促《おうなが》しになりました。
わたしは思わず眼を伏せました。兼ねて覚悟はして....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
どうぞ」
※南田は銅檠《どうけい》の火を掻き立ててから、慇懃《いんぎん》に客を
促した。
* * *
元宰先生《げんさいせんせ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
なりますが、子供はまだ一人《ひとり》もございません。ここで私が特に閣下の御注意を
促したいのは、妻にヒステリカルな素質があると云う事でございます。これは結婚前後が....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
状しないか」 閻魔大王は鬼どもに、暫く鞭の手をやめさせて、もう一度杜子春の答を
促しました。もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに階の前へ....