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「俄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
のだから、やっと命だけは拾ったと、こう云うのでございます。私はそれを聞いた時に、俄《にわか》に目の前が暗くなって、そのまましばらくは呼吸さえも止るような心地が致....
「冬」より 著者:芥川竜之介
つにかかっては手も足も出すことは出来ません。」 こう云う僕等の話の中《うち》に俄《にわ》かに僕等を驚かしたのは「Ｔ君万歳」と云う声だった。僕は片手に窓かけを挙....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
中御門の少納言は、堀川の御屋形《おやかた》の饗《さかもり》へ御出になった帰りに、俄《にわか》に血を吐いて御歿《おなくな》りになってしまいました。が、それは先ず、....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
直孝《いいかもんのかみなおたか》の陣屋《じんや》に召し使いになっていた女が一人｜俄《にわか》に気の狂ったように叫び出した。彼女はやっと三十を越した、古千屋《こち....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
して、実見者の談によれば、格闘中同人が卓子《テエブル》と共に顛倒するや否や、首は俄然｜喉《のど》の皮一枚を残して、鮮血と共に床上《しょうじょう》に転《まろ》び落....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
き散らしました。その途端です、窓の外に降る雨の音を圧して、もう一つ変った雨の音が俄《にわか》に床の上から起ったのは。と言うのはまっ赤な石炭の火が、私の掌《てのひ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
御足《おんあし》もとの狂いしとたん、御鷹《おたか》はそれて空中に飛び揚り、丹頂も俄《にわ》かに飛び去りぬ。この様《さま》を見たる喜左衛門は一時《いちじ》の怒に我....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
と思うと時ならない風が、さっと若者の顔を払って、足さえ宙に浮くが早いか、あたりが俄《にわか》に暗くなって、ただ一しきり火花のような物が、四方へ散乱するような心も....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の下女を呼び出して来た。それから、――筋は話すにも足りない、一場《いちじょう》の俄《にわか》が始まった。 舞台の悪ふざけが加わる度に、蓆敷《むしろじき》の上の....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
。また、その前日から、頭痛《ずつう》がすると申して、とかくふさぎ勝ちでいた妻が、俄《にわか》に外出する筈もございません。して見ますと、この場合、私の眼に映じた妻....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
きつ》な不安にさえ、襲われた。「発狂したらどうする。」 ――そう思うと、彼は、俄《にわか》に眼の前が、暗くなるような心もちがした。 勿論この怖れは、一方絶え....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
腰を下ろしていた。 「何、水母《くらげ》にやられたんだ。」 海にはこの数日来、俄《にわか》に水母が殖《ふ》えたらしかった。現に僕もおとといの朝、左の肩から上膊....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
に生活力を与えていた。しかし僕は晩年のメリメエの新教徒になっていたことを知ると、俄かに仮面のかげにあるメリメエの顔を感じ出した。彼もまたやはり僕等のように暗の中....
「墓」より 著者:秋田滋
でした。私たちは連れ立って、河に沿うてすこし遠くまで散歩をいたしました。折あしく俄か雨にあいまして、彼女は風邪をひいてしまったのです。 翌日、肺炎を起しまして....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
りしか、この県下に第一ならば全国の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて、密かに我腕を我と握りて打笑みたり。この頃の考えには学者政治家....