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俊秀
「俊秀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俊秀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
ある。広い額は、その昔は、その上に乱れかかっている長髪と相俟《あいま》って卓抜な
俊秀な感じを見る人に与えたが、頭髪がうすくまばらになり、眉毛もそれとは見えがたく....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
いてくれたのは、前に引合に出した友人N君である、N君は早稲田文科の出身で、創作に
俊秀の才を抱きながら、今は暫く峡中で書を講ずるの人となっている、自分はN君の通信....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ヨーロッパ人の手を仮りないで事を執る準備がなければならない、それには教導局を置き
俊秀な少年を養い百般の建築製造に要する技術者を造るに努めねばならないと言うような....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
方へ声かけたりしていた。 含羞んだふうで硬くなっている青年園田を見たとき、その
俊秀な風貌と、すくすくした新樹のような若さに打たれながら、庸三の六感に何か仄かな....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
秋を語りたる、京都の侘しき町端れなる氏の書斎の印象を胸に守っている。沈痛な、瞳の
俊秀な光をおさめた、やや物瘠せしたような顔が忘れられない。メフィストをして嘲るま....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
や、怪いものではありません。」 「老人の夥間ですよ。」 社の裏を連立って、眉目
俊秀な青年二人、姿も対に、暗中から出たのであった。 「では、やっぱりお狂言の?…....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かにある。 彼等一味の有志連が、挙《こぞ》ってかつぎ上げるところの盟主は、白面
俊秀にして、英気溌剌たる貴公子であった。今このところに鬱屈せしめられている、当の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
寄宿舎を設け、彼らの書生を収容さるる事になった。なおその以前に、郷里から出ている
俊秀にして資力に乏しい生徒には、学費を給与さるるという事にもなっていたので、この....
「魔都」より 著者:久生十蘭
所の書記が失業して、このごろは踏切へ旗振りに出ていますといった体《てい》。これを
俊秀鋭敏、警視庁切っての辣腕と懼れられる真名古捜査課長と思うものはあるまい。見る....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
の連中のねがいは、法皇が永久に五歳のままでいるか、白痴であってくれることで、英邁
俊秀といったタイプをなにより嫌う。三代から七代まで、五人の法皇のなかで、廿五歳ま....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
親しみを思って涙を流されたそうですが、当の順吉は平気だったといいます。 しかし
俊秀な少年として知られていたのですから、同藩の医|吉木蘭斎というのが直ぐに迎えて....
「京都学校の記」より 著者:福沢諭吉
入るの法なれども、学校の起立いまだ久しからざれば、中学に入る者も多からず。ただし
俊秀の子女は、いまだ五科を経ざるも中学に入れ、官費をもって教うるを法とす。目今こ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
仮字にて秀でて高き意なるべしと、また穂高を奥岳ともいう、と『科野名所集』に見ゆ、
俊秀独歩の秀高岳、まことにこの山にして初めてこの名あり。 五 北穂高岳 ....
「語呂の論理」より 著者:中谷宇吉郎
》では、この頃ユダヤ人を排撃するために、アインシュタインとか、原子物理学の方面の
俊秀な学者たちとかを追放して、『独逸物理学』という専門雑誌まで出して、大いに独逸....
「原子爆弾雑話」より 著者:中谷宇吉郎
|勃発《ぼっぱつ》の一年くらい前であった。ラサフォードがキャベンディシュ研究所の
俊秀を総動員して、世界の物理学の主流を原子構造論から一歩進め原子の内部に足を踏み....