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「俎上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俎上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
爬虫館事件」より 著者:海野十三
呀ッ」と叫びたいくらいだった。塀の外で調餌室を想像しているのと、こうやって大きな俎上に、血のタラタラ滲みでそうな馬肉の塊を見るのとでは、まるっきり調餌室というも....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていった。法水は続けて、 「それから僕は、その『ゴンザーゴ殺し』の|三たびを再び俎上に載せて、今度は反対に、下降して行く曲線として観察したのです。そして、いよい....
紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
巻第十三号で、片上天弦、前田木城、水野葉舟、吉江孤雁ら合評の紀行文家月旦が出た。俎上に載せられたのは、麗水、桂月、天随、花袋、孤雁及び私であったが、一番ほめられ....
物理学圏外の物理的現象」より 著者:寺田寅彦
包蔵されているようであるが、現在までの物理学はまだそれらを問題として捕捉し解析の俎上に載せうるだけに進んでいないように見える。流体力学の専門家はその古色|蒼然た....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
それをあえて修飾することなくそのままに投げ出して一つの「実験ノート」として読者の俎上に供する次第である。 (昭和八年九月、世界文学講座)....
無法者」より 著者:豊島与志雄
ょう。ただ黙って、なんの弁解もせずに、聞いて下さいよ。」 「御意のままにします。俎上の鯉となりましょう。」 志村はそれまでに、三杯のカクテルを飲み干してしまっ....
学生と教養」より 著者:倉田百三
の悩んでいる諸問題がそこに取り扱われ、解決を見出さんとして種々の視角と立場とより俎上にあげられているのを見て、人事ならぬ思いを抱くであろう。たといそれは充分には....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
菊乃であった。之が人間の真の姿である。穂積博士の脳髄は医学の好資料となった。私は俎上の魚となった以上敢て逃げ匿れはしない。内外の学者文士、評論家に由って私の人間....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
羅を剥いでゆくのは、当たっていないのである。まず甲羅の裾の柔らかいところを掴んで俎上に運び、腹の甲を上向けにするとすっぽんは四肢を藻掻いて自然のままに起き上がろ....
「陰獣」その他」より 著者:平林初之輔
ら、そして大江春泥に対して疑いをもつ理由が十分にあるのなら、もう一度、大江春泥を俎上にのせて事件の再分析をして見るべきである。それをする代わりに「私」という人間....
当選作所感」より 著者:平林初之輔
凄味と神秘の色とを濃くしてほしい。「崇り」を科学的に分析するなら、もっと徹底的に俎上にのせてメスをふるってほしかった。全体に中途半端の感じがする。現代と徳川時代....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
物の意味で人間を神に捧げるとの解釈には、なお一考の余地があろうと思う。鬼が人間を俎上に載せて、耳までさけた口を開いて、舌なめずりしつつ庖丁を振うの有様は、狼や虎....
鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
象を与えている。だから、非常にひよわなさかなのように思われているが、その実、鮎は俎上にのせて頭をはねても、ぽんぽん躍り上がるほど元気|溌剌たる魚だ。そればかりか....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
第一に客種に問題があるのだろう。 以下一々について各店主人の持つ寿司観の長短を俎上に載せて見よう。 終戦後、闇米屋という女性行商人が大活躍し、取り締まりなど....
美味放談」より 著者:北大路魯山人
。こうしてうなぎの体に力の入った瞬間に、職人はすっとそれを前へ押し出すようにして俎上に載せてしまう。だから見ていると実に不思議なほど簡単だ。それを知らないでだね....