俗名[語句情報] »
俗名
「俗名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
いて和尚《おしょう》に仏事を修して貰った。が、万一を慮《おもんぱか》って、左近の
俗名《ぞくみょう》は洩《も》らさずにいた。すると寺の本堂に、意外にも左近と平太郎....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
懐かしくも思われた。 お経の文句は何も知らない彼も、今夜は仏壇代りの机にお絹の
俗名をかいた紙片を飾って、それにむかって一心に南無阿弥陀仏と念じた。ときどきに部....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
分かりませぬ。何様、洞窟の奥深くいられるゆえ、しかとは分かりませぬ」 「その者の
俗名は、なんと申したか存ぜぬか」 「それも、とんと分かりませんが、お生れは越後の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、そのそばに新らしい卒堵婆が立っているのを見つけた。卒堵婆は唯一本で、それには
俗名も戒名も書いてなかったが、きのう今日に掘り返された新らしい墓であることはひと....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
引くと今度は掌を組み、胸のまえで上下に強く振った。 「昭和四年二月十八日|歿す、
俗名宗清民の霊……」 老人の皺枯れた声が終るか終らないうちに、 「ううッ、ああ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
の花を指差した。 香具師は返辞をしなかった。気味悪そうに見ただけであった。 「
俗名惚草という奴だ。採った薬が惚れ薬だ。アッハッハッハッ洒落た花だろう。茶の中へ....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
何かの理由があって、念流の開祖念和尚の家に伝わっていたのかも知れない。念和尚は
俗名相馬四郎義元と云い、奥州相馬の棟梁だったというから、この巻物を伝えるような何....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
類い稀れな美貌の女、これが信徒の崇敬を一身にあつめる教祖なのである。 別天王は
俗名を安田クミと云って、当年三十五、亭主もあるし、子供もある。貧乏なトビの娘に生....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
げてしまいました。ところが貝塚三十郎という、そのお侍さんの眼には新発意の姿が――
俗名は弥兵衛、法名は源空――その人の姿がこれも仏様の、不動明王に見えましたそうで....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
十六日条に、西行のことを叙して、「陸奥守秀郷入道は上人の一族なり」とあり。西行は
俗名佐藤則清にして、みずから秀郷朝臣以来九代嫡家相承と称する弓馬の家なりしなり。....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
瞳かな 白木の位牌を取り納めて、英一の戒名を過去帳に写す。戒名は一乗英峰信士、
俗名石丸英一、十八歳、大正九年十月九日寂。書き終りて縁に立てば、午後より陰りかか....
「影」より 著者:岡本綺堂
せんが、大磯箱根や湯河原を流れ渡って、唯今では熱海の松の家に巣を食って居ります。
俗名はおつや、芸名は金八、あだ名はがら金……。若しインチキだと思召すなら、念のた....
「活人形」より 著者:泉鏡花
がる。と渋面つくりて銀平の顔を視め、「銀平、遅かったわやい。「おらあすんでの事で
俗名八蔵と拝もうとした。「ええ、縁起でもねえ廃止てくれ。物をいうたびに腹へこたえ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
た後は、薨去まで約五十年、全く流離困乏の御生活であった。この間還俗されて宗良の御
俗名を用いられ、伊勢・遠江・越後・越中等におられたが、おもには信州におられたので....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
主が竜蛇だからである. 竜蛇というのは,アイヌの神話伝説によく出てくる怪魔で,
俗名をホヤウ(樺太方言でホヤウは蛇の義),神名をラプシヌプルクル(翅の生えている....