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俗吏
「俗吏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗吏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
度は八百疋捉えたの千疋取れたのと誇大の報告を聞いたが、雀の方がよほど県郡の知事や
俗吏より慧《さと》くたちまち散兵線を張って食い荒らし居る、それと同時に英国では鳥....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
い月日の間であった。ここまで御一新に路を開けたあの本居翁のような人さえもが多くの
俗吏によってどんなふうに取り扱われているかを知って来たのも、またその間であった。....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
うと願っているような人物には、大した人物はいないのである。今日の大学教授は一介の
俗吏の相当の地位にあるものに、頭から敵《かな》わないのである。実力から云っても社....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
「咎めを受けることがあるかもしれぬが、御承知か?」 「義を、道を学ぶ者として、
俗吏の咎め位を恐れて、何と致しましょう」 若者は、その当世風の着物に似ず、しっ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に先だって知りいたかの僧はなかなか豪《えら》いと南方先生に讃《ほ》めてもらうは、
俗吏の申請で正六位や従五位を贈らるるよりは千倍悦んで地下に瞑するじゃろう。ただし....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
最近までの官僚は名は官僚でも専門知識を欠いた素人どもの政治家にコヅキ回されていた
俗吏に過ぎなかった。――処がこの政治家自身の社会的信任が、所謂ファッショの波によ....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
ぬので、生れ付き消極的な性質は何処までも変らぬ。それでなければ今頃こんな消極的な
俗吏になって、毎日同じような消極的な仕事を不思議とも思わずやっている筈はないかも....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
つ》を問わずして御家流をば俗様《ぞくよう》として賤《いや》しみ、これを書く者をも
俗吏《ぞくり》俗物《ぞくぶつ》として賤しむの勢《いきおい》を成せり。(教育を異に....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
ある時、林大学頭より出したる受取書に、楷書をもって尋常に米と記しければ、勘定所の
俗吏輩、いかでこれを許すべきや、成規に背《そむ》くとて却下したるに、林家において....
「学校の説」より 著者:福沢諭吉
、ことに勉強することあり。その得、三なり。 一、官の学校には、教師の外《ほか》に
俗吏の員、必ず多く、官の財を取扱うこと、あるいは深切ならずして、費冗《ひじょう》....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
終に引退してしまった。二葉亭は本来|狷介不覊なる性質として迎合屈従を一要件とする
俗吏を甘んじていられないのが当然であって、八年の長い間を官報局吏として辛抱してい....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。毎朝九時半より日没に至るまで、衆人に堂内参観を許す。 国教宗の寺院にては必ず
俗吏を使用す。通例一カ寺に、世話人二名、副世話人四名、掃除人一名あり。寺院の会計....
「武士道の山」より 著者:新渡戸稲造
ることなり。彼らは戦場に在りては勇敢なる下士となり、平時には最も厭《いと》うべき
俗吏となる。 この類の住地よりも高くして更に一帯あり。その住民は、野獣的にもあ....
「三国志」より 著者:吉川英治
わけです。――それに、君には、新野の地にもまだ日浅く、周囲には荊州の武弁、都県の
俗吏しか近づいていませんから、ご存じないのは当然です」 「その人と、ご辺との縁故....
「三国志」より 著者:吉川英治
年の魅力に何か心をひかれたので、黙って彼のあとに従いて行った。 「ここは奥書院、
俗吏は出入りしませんから、しばし静談しましょう。さあ、お着席ください」 楊修は....