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「俗念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俗念の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
は大変だ。余が欲する詩はそんな世間的の人情を鼓舞《こぶ》するようなものではない。俗念を放棄して、しばらくでも塵界《じんかい》を離れた心持ちになれる詩である。いく....
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
の平穏を感ずることはない、その時ほど自由を感ずることはない、その時ほど名利競争の俗念消えてすべての物に対する同情の念の深い時はない。 『僕はどうにかしてこの題目....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
見つめているばかりであった。 オレはヒメの本心を訊いてみたいとは思わなかった。俗念は無益なことだ。ヒメに本心があるとすれば、あどけない笑顔が、そして匂いが全て....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
心、好意を以て寄ってくる隣人をうるさがって、知名の人との交友に急ぐ馳求の慾などが俗念であることが感じられて来る。それはその刻、その対象の全一なる意と味とを取り逃....
二十一」より 著者:坂口安吾
家の中にいるのです。あなたのような方にとって、宗教ぐらい誂え向きな住みかはない。俗念をすてなさい。三十円ぐらいの金は有っても無くても同じことです。執着をすて神様....
小説 円朝」より 著者:正岡容
ョロヒョロと目の前に見えてきた。 「いけない」 あわてて次郎吉は、首を振った。俗念を払おうとしたのだった。 「観自在菩薩、深般若波羅蜜多を行《ぎょう》ずる時、....