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俗用
「俗用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗用の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ったら考えが纏《まとま》るか、自分でもちょいと見当がつかない。殊にこの頃のように
俗用多端じゃ――」
こう云いかけた野村の眼には、また冷評《ひやか》されはしない....
「門」より 著者:夏目漱石
った。宗助はふと御米にここへ着いた消息を書かなければならない事に気がついた。彼は
俗用の生じたのを喜こぶごとくに、すぐ鞄《かばん》の中から巻紙と封じ袋を取り出して....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
いに野々宮さんをほめだした。よし子は黙って聞いている。 学問をする人がうるさい
俗用を避けて、なるべく単純な生活にがまんするのは、みんな研究のためやむをえないん....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の度重《たびかさ》なりてそんな眼に逢う。処へその姉と称える二十四、五の女が来て、
俗用の仏語で若い女を叱るを聴くと、その男はかつて女に会った事のない奴だ、かれこれ....
「文士の生活」より 著者:夏目漱石
の大変よいように思う。出不精《でぶしょう》の方で余り出掛けぬが、時々散歩はする。
俗用で外出を已《や》むなくされる事も、偶《たま》には無いではない。人を訪問に出る....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
框に据えられた時代ものの長火鉢の曳出しを、またしてもねらったのであった。 彼は
俗用のためしばしば出入りするこの隣人の家の、小金の有り所をいつの間にか知っていた....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
より白の鼻緒の鼠色になった草履はき居る足先まで睨め下し、ならぬ、ならぬ、上人様は
俗用にお関わりはなされぬわ、願いというは何か知らねど云うて見よ、次第によりては我....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
著て出る姿は、お杉がいなくともなお法師であった。日本には僧侶の総称をホウシという
俗用の他に、どこか形のこれと似て一かさ小さい者を、転用によってホウシといった時代....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
はいわさん。貴公の小袖には、鷹の羽がついておる」 「なに、鷹の羽。これは表紋だ。
俗用には、裏紋を使用しておる。――一家に二つの紋があってもふしぎはない。……いや....