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俘
「俘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
じらいか》である。地雷火は悪い役ではない。ただ工兵にさえ出合わなければ、大将をも
俘《とりこ》に出来る役である。保吉は勿論《もちろん》得意だった。が、円《まろ》ま....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
言う女傑である。更に「馬上縁」の女主人公梨花を見れば彼女の愛する少年将軍を馬上に
俘《とりこ》にするばかりではない。彼の妻にすまぬと言うのを無理に結婚してしまうの....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
くで振り切って、すたこら自分の邸へ逃げ帰った。 もちろん彼はそれからバッカスの
俘囚《ふしゅう》となって、前後を忘却するほどの泥酔に陥った、が翌朝早く彼は自分の....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ぐさま、こう伝えろ。海底超人の王子ロローなるものが、いま本船の左舷後方にいるから
俘虜にするように、と打電するんだ。すぐやるんだぞ」 「心得ました」 パイクソン....
「地球盗難」より 著者:海野十三
た。 「さあ、向うへ歩け。……」 義足の男は、佐々の身体を向うへ突きとばした。
俘囚というものが、いかに惨めなものであるかということを、二人の盟友は別々に同じ事....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
研究して而して後鑑賞するに足らざるが故に軽侮するのではなくて、多くは伝来の習俗に
俘われて小説戯曲其物を頭から軽く見ているからで、今の文学なり作家なりを理解してい....
「骸骨館」より 著者:海野十三
ていったらどうだ」 「ばかをいってら。誰がそんなことで死ぬもんか。僕の方が骸骨を
俘虜にしてお土産に持って来てやるよ」 勇ましいことばを残して正太君はへいの破れ....
「火薬船」より 著者:海野十三
こうの寺院みたいなものが見えらあ」 「ふん、あれはノートル・ダムだろう。おれたち
俘虜ども一同そろって、はやく武運をさずけたまえと、おいのりにいこうじゃないか」 ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
おしくないが、このような秘密基地のあることを、わが海軍に知らせるまでは、死んだり
俘虜になってはいけない」 このとき小浜兵曹長は、海岸に翼をぶっつけて壊れてしま....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
というのに、わざわざ真夜中をえらんだのは、なぜか。 監禁囚人はもちろん、大事な
俘虜杉田二等水兵や、カワカミの容疑者などを、同じ船にのりこませたのは、なぜか。 ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
浮いて来た。どうした機か、ふと革命党が自分であるように思われた。未荘の人は皆彼の
俘虜となった。彼は得意のあまり叫ばずにはいられなかった。 「謀反だぞ、謀反だぞ」....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
けるためであるから勢いダレる気味があって往々閑却されるが、例えば信乃が故主成氏の
俘われを釈かれて国へ帰るを送っていよいよ明日は別れるという前夕、故主に謁して折か....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
驚異する如くに眼を※って忽ち椿岳|蒐集熱を長じた。 因襲を知るものは勢い因襲に
俘われる。日本人は画の理解があればあるほど狩野派とか四条派とか南宗とか北宗とかの....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
感服したり、貧乏人の娘が汚ない扮装をして怯めず臆せず平気な顔をしているのを虚栄に
俘われない天真爛漫と解釈したり、飛んでもない見当違いをする事が度々であった。 ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
腕器度を称揚する事はあっても革命党に対してはトンと同感が稀く、渠らは空想にばかり
俘われて夢遊病的に行動する駄々ッ子のようなものだから、時々は灸を据えてやらんと取....