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俚
「俚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
そうしてまた、私の妻を憎み始めました。現にこの頃では、妻の不品行を諷《ふう》した
俚謡《りよう》をうたって、私の宅の前を通るものさえございます。私として、どうして....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うがす」 三人は勢い込んでばらばらと起った。 四 心無しを使うなと
俚諺にもいう十月の中十日の短い日はあわただしく暮れて、七兵衛がお兼ばあやの給仕で....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
、その作品は、科学には近かろうけれども、人情を離れること遠いのである。日本の古い
俚諺に「見えはる男には惚れられぬ。」というのがある。そのわけは、そういう男の心に....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
って行きます。坂根から岩津原というところにきました。この村の人に兵庫御嶽の前山を
俚称大海といい御嶽を
俚称道仙寺と言うのだと聞き、小才田と言うところから兵庫県へ向....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
唸り声がした。 天主閣に就いて語ることにしよう。 「尾張名古屋は城で持つ」と、
俚謡にまでも唄われている、その名古屋の大城は、慶長十四年十一月から、同十六年十二....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
じゃが、お幾歳です? 百合 御免なさいまし、……忘れました。…… 学円 ははは、
俚言にも、婦人に対して、貴女はいつ死ぬとは問うても可い。が、いつ生れた、とは聞く....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
年頃になったのでございますから、縁談の口は諸方から雨の降るようにかかりましたが、
俚諺にも帯に短かし襷に長しとやら、なかなか思う壺にはまったのがないのでございまし....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
る人たちは押し合っていた。 「押すなや、せぐなや、神楽場じゃないぞ」 こういう
俚言が備後にはある。それ程神楽場はこむのであった。 お神楽が初まった。 初め....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
して今では発見についてのこれぞという手懸かりもないのですからせめて、土人の伝説か
俚謡でも、手懸かりの一つにしなかったら取っ付き場所がありません……」 マハラヤ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、石の風車ややらずの石碑や、そういうものがありもした。街道を一方へ辿って行けば、
俚謡に詠まれている関所があり、更に一方へ辿って行けば、沓掛の古風の駅があった。 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
かけんとして思いかえして行く老人あり、振りかえりながら「死して再び花は咲かず」と
俚歌を低声に唄うて暗に死をとどむる如く誡め行く職人もあり。老婆などはわざわざ立か....
「画室談義」より 著者:上村松園
は、 「困った悪戯もの」 であります。 ひさしを貸して母屋まで……とつまらぬ
俚諺に思いあたってつい苦笑せざるを得ません。 画室のなかは実に賑やかです。何年....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
って、殆どその区別の無いのが常である。 斐太と云い、上路と云い、その地名なり、
俚伝なりに、先住民の匂いがそこに残されているのではあるが、しかしそれはただに斐太....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
かのように、ポェ・チーコル・チュスン即ちチベットの戸数は十三万戸であるという事が
俚諺のようにいわれて居ますが、これは多分その時分に取り調べた即ち法王領分のチベッ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
した。 「それは年代が経つうちに、その歌曲に合せた新作も出来るでしょうし、諸国の
俚謡だの、小唄などが混入して歌われることは随分あります。大概の唄は二十六字調です....