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「俚謡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俚謡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
そうしてまた、私の妻を憎み始めました。現にこの頃では、妻の不品行を諷《ふう》した俚謡《りよう》をうたって、私の宅の前を通るものさえございます。私として、どうして....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
唸り声がした。 天主閣に就いて語ることにしよう。 「尾張名古屋は城で持つ」と、俚謡にまでも唄われている、その名古屋の大城は、慶長十四年十一月から、同十六年十二....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
いが江戸ッ児にはその実物教育てのが三百年も前からちゃァんと決定されている、しかも俚謡になって―― ちん(狆)わん(犬)ねこ(猫)ニャァ(啼き声)ちゅう(鼠)きん....
蓄音機」より 著者:寺田寅彦
。私は今でも事にふれてこの文学士の「高い山から」を思い出す。あの時にあの罪のない俚謡から流れ出た自由な明るい心持ちは三十年後の今日まで消えずに残っていて、行きづ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ず、難きはこれ難中の難一あり、夕陽門外人を待つこと難し〉。この起句は、文部省刊行俚謡集、伊賀阿山郡の木遣歌《きやりうた》に、牛の上歯に駒の角、師走|筍《たけのこ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
い》が唱え祝い、余幼時「大和国がら女の呼《よば》いおとこ弥勒の世じゃわいな」てふ俚謡を聞いた。およそ仏教の諸経に、弥勒の世界と鬱単越洲《うつたんのっしゅう》を記....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》と恋の勝利の歓楽に酔って、坂崎を憤死せしめた罪多き女、その後半生は吉田通ればの俚謡《りよう》にうたわれて、淫蕩《いんとう》のかぎりを尽した劇中の人、人もあろう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら、 甲州出がけの吸附煙草《すいつけたばこ》 涙じめりで火がつかぬ と得意の俚謡《りよう》をうたったことが耳に残ります。眼の見えた以前の人は暫く措《お》き、....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
densee の大湖が見え出したのである。隣の乗客は口笛を吹き出した。これは何か俚謡のようなものを歌うらしい。暮靄が低く湖水をこめて、小山の上の方だけが浮出てい....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
して今では発見についてのこれぞという手懸かりもないのですからせめて、土人の伝説か俚謡でも、手懸かりの一つにしなかったら取っ付き場所がありません……」 マハラヤ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
、石の風車ややらずの石碑や、そういうものがありもした。街道を一方へ辿って行けば、俚謡に詠まれている関所があり、更に一方へ辿って行けば、沓掛の古風の駅があった。 ....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
たことを欣幸とする次第だ。 マコモの中でもアヤメ咲く ふるくから人口に膾炙した俚謡に「潮来出島《いたこでじま》の真菰《まこも》の中であやめ咲くとはしほらしや」....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
》のあったことを示している。 あまねく人の知っているかの潮来節《いたこぶし》の俚謡《りよう》に、 潮来出島《いたこでじま》のまこもの中にあやめ咲くとはしおら....
十日の菊」より 著者:永井荷風
、褊狭《へんきょう》なる自家の旧趣味を棄てて後《おく》れ走《ば》せながら時代の新俚謡《しんりよう》に耳を傾けようと思ったのである。わたしは果してわたしの望むが如....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
した。 「それは年代が経つうちに、その歌曲に合せた新作も出来るでしょうし、諸国の俚謡だの、小唄などが混入して歌われることは随分あります。大概の唄は二十六字調です....