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「保存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
保存の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
たにもせよ、金の出来ないことは明らかである。すると十円を返すためにはこの十円札を
保存しなければならぬ。この十円札を
保存するためには、――保吉は薄暗い二等客車の隅....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
を示すようになった事でした。
「その頃の彼の手紙は、今でも私《わたし》の手もとに
保存してありますが、それを一々読み返すと、当時の彼の笑い顔が眼に見えるような心も....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
工事にも加えることを禁じえない。防波工事の目的が、波浪の害を防いで嫁が島の風趣を
保存せしめるためであるとすれば、かくのごとき無細工な石がきの築造は、その風趣を害....
「或る女」より 著者:有島武郎
こには葉山で木部孤※と同棲《どうせい》していた時に使った調度が今だに古びを帯びて
保存されたりしていた。定子をそばにおいてそんなものを見るにつけ、少し感傷的になっ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
してとにかく私は私自身を言い現わして見よう。 無元から二元に、二元から一元に。
保存から整理に、整理から創造に。無努力から努力に、努力から超努力に。これらの各※....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
も多いであろう。 これらの神話は口碑によって草昧の時代から文化の進んだ時代まで
保存されてきた。その間に次第に人間の教養は高くなってきても祖先伝来のこれらの考え....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
帯びていたのに、年数も経ったり、今は皺目がえみ割れて乾燥いで、さながら乾物にして
保存されたと思うまで、色合、恰好、そのままの大革鞄を、下にも置かず、やっぱり色の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れを両手にささげ、『たとえお別れしても、いつまでもいつまでも姫さまの紀念に大切に
保存いたします……。』と言いながら、声も惜まず泣き崩れました。が、私の心は、モー....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。私はその以前から、いろいろの通信を受けたが、この自動書記が便利であり、又
保存の為めにも都合がよいので、特に之を選んだ次第である。敲音を以て一字ずつ書き綴....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
買者が少なければ、製作者もこれに依って生活が出来ぬという経済的原因に支配されて、
保存さるべきものが、
保存されずに亡び行くことは惜みても余りあることである。 ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ってくるたんびにとるのですが、この心のなかでは、人がでていったあとで型をとって、
保存されることでした。ここにあるのは女のお友だちの型で。そのからだと心の欠点がそ....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
する一切の操作、およびそれらを円滑ならしめるためのあらゆる注意、撮影機械に関する
保存上および能率上の諸注意、現像場との諸交渉・打合せ、および特殊技術に関する協同....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
機械は、その後サー・ジェームス・サウスの所有になって、王立協会に寄附され、今日も
保存されてある。 ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、筆記を取り、後で立派....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ことを勉め、鞠躬尽瘁、終に身を以てこれに殉じたるものなり。外国の力を仮りて政府を
保存せんと謀りたりとの評の如きは、決して甘受せざるところならん。 今|仮りに一....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ったが、充分に検討したものでもないので、これに応ずる勇気も無く、現在も私の手元に
保存してある次第である。 昭和三年度のためには、前年の講義録を再修正する前に、....