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保管
「保管〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
保管の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
りある株券と地所《じしょ》とは愛子と貞世《さだよ》との教育費にあてる名儀で某々が
保管する事になった。そんな勝手放題なまねをされるのを葉子は見向きもしないで黙って....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
もその金を、婿の名に書き替るわけじゃないが、河野家においてさ、一人一人の名にして
保管してあるんだから、例えば婿が多日月給に離れるような事があっても、たちまち破綻....
「振動魔」より 著者:海野十三
思っているの? あたしが死ぬと同時に、一切が曝露するという書類と証拠が、或る所に
保管されているのを知らないのねえ」 「ああ、僕は大莫迦者だった」 鳴咽する柿丘....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
うが、あの函は二重底になっていて、その間に挟んであったわけなのよ。もし政府がその
保管に任ずることが出来ず、外へ行ってしまったとなると、とんでもない事態となるんで....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
のレッテルをつけてギッシリ並んでいた。 劇薬は一隅に設けられた戸棚の中に厳重に
保管されてあった。丘田医師は鍵を外して、ガラガラとその扉を開くと、黒いレッテルや....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
にもどってくれたことは、不幸中の幸であると思った。この上は、この焼け布片は大切に
保管し、二度とこんなことにならないようにしなくてはならないと思った。姉川五郎は、....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
き鞄(スーツケースと呼ばれる種類のもの)の残留せるを発見し届出あり、目白署に保護
保管中なり。住所姓名年齢|不詳《ふしょう》なるも、その推定年齢は二十五歳前後、人....
「金属人間」より 著者:海野十三
」 「そうかい。とにかくこれはいいものを拾って来てくれた。これは、ぼくのところに
保管しておくが、ひょっとすると今夜あたり、これがコウモリのように空中をとびまわる....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
そして世界大戦が鎮まって、わしが再び世にあらわれるまでは、それを各自が、ちゃんと
保管していてくれ。もちろん、その密封を破ることはならない。もし、万一この筒を捨て....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
ておいたというわけだ。今われわれの関係している暗号の鍵というのも、その本土の外に
保管されてある重要機密の一つなのさ。その時号の鍵が、このゼルシー島の、しかもメン....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
後には、ちゃんと輸送機上の人となっていた。もちろん共軛回転弾の箱は、機上に大事に
保管されていた。 大陸を出発。成層圏まで一気に上昇して、逆流をついて東へ飛行を....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
れないわけは、彼のためにミチミの所有になる或る重大なる秘密物品が有坂の手によって
保管されていることだ。それを取戻さない限り、有坂の許を離れるわけにはゆかない事情....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
時の質屋などでは必らず金網のボンボリを用いた。これはよそからの色々な大切なものを
保管しているので、万一を慮かって特に金網で警戒したのである。 ◇ ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
嫂だけはそうとは言わず、あれは詰らぬガラクタ道具や襤褸著物を入れた箱で挙人老爺が
保管を頼んで来たが、趙太爺が突返してしまったんですと言った。実際挙人老爺と趙秀才....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ため度々上府した幸手の大百姓があって、或年財布を忘れて帰国したのを喜兵衛は大切に
保管して、翌年再び上府した時、財布の縞柄から金の員数まで一々細かに尋ねた後に返し....