保釈[語句情報] »
保釈
「保釈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
保釈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
そうすれば今度もキット引ッ張られるだろう、又仮りにそんなことが無いとしても、今は
保釈になっているのだから、どうせ刑が決まれば入るのだから、その時の用意に母は字を....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
九九四号、起きてるか。――」 看守の後から背広姿の二人の訪客が入って来た。私は
保釈出獄の使者だろうと直感した。 (オヤ)私は心の中で訝った。二人の客のうちの一....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
これを加えられた人は非常な苦悩を受ける。彼の悪は宗教でさえ救い得ない悪であった。
保釈願 支倉は一身を悪魔に捧げ、智嚢を傾けて、一刻たりとも生命を延ばし、恨み重....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ことだが、猪野は大きな詐欺事件で、長く未決へ投げ込まれていたが、このごろようやく
保釈で解放され、係争中をしばらく家に謹慎しているのだった。それはちょうどそのころ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
やにいたのだ。 ところが僕がはいってから、カシエン以下のフランスの共産主義者は
保釈で釈放されたが、ドイツの二人だけは残された。二人ともフランスの法律に触れる理....
「獄中記」より 著者:大杉栄
反対の市民大会を開いた時の兇徒聚集事件だが、三月に未決監にはいってその年の六月に
保釈で出た。そしてそのほかの四つの事件は、この兇徒聚集事件が片づくまでの、二年余....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
り放たれたりして、とうとう最後のコヂつけで未決にいましたが、一審が終わると同時に
保釈で出ました。が、Yは一審の判決がすむとすぐ既決に下って中野の監獄に送られまし....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
なければならぬ。例の起訴された三人の華族の子弟の一人公爵岩倉具栄氏の令妹靖子嬢は
保釈中自宅の寝室でいたましくも剃刀自殺を遂げたのである。新聞が報道する処によると....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
大川周明博士を盟主とする神武会は、大衆団体としては解散することになった。大川氏の
保釈を機会として、今後は専ら、以前の行地社並みに思想団体に還元するそうである。―....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
二十七日の封書とが着いたばかりだ。 * 堀保子宛・明治四十一年二月十三日
保釈はまだ何とも言って来ない。もし許されたらすぐ電報で知らせる。 兄キの子供が....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ものである。 「あれはですな。ハンストをやって流動物だけ摂っていると、衰弱して、
保釈ということになります。前科何犯という連中、特に裕福な連中、二号三号をかこって....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
ど奇怪なことじゃった。矢伏に、死刑が執行されてから、ちょっと後の話で、意外にも、
保釈中の船場四郎太が拳銃で自殺を遂げてしもうた。 ――犯人は俺じゃという、遺書....
「独房」より 著者:小林多喜二
き止められる一方でいた言葉が、自由になった今、後から後からと押しよせてくるのだ。
保釈になった最初の晩、疲れるといけないと云うので、早く寝ることにしたのだが、田口....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
である。彼女には、その智能もなく、考えてみること少く、甚しくウスッペラだ。左文は
保釈で出て、母と一しょに天理教のタイコをたたいてお祈りしている写真を見たが、これ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
戯曲のほかに小説も書き、劇壇より文壇で有名であったが、思想運動の嫌疑で検挙され、
保釈出獄以来執筆は許されず、匿名で「演劇集団」の演出をしているのだった。食うため....