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保養
「保養〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
保養の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
浦の身にとって三考にも四考にも価する事ですから、私はその翌日すぐに手紙をやって、
保養がてら約束の釣《つり》に出たいと思う日を知らせました。するとすぐに折り返して....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
話になりました。お庇様でどうやら助りました。もう退院をしまして宜しいそうで、後の
保養は、河野さんの皆さんがいらっしゃる、清水港の方へ来てしてはどうか、と云って下....
「古狢」より 著者:泉鏡花
だらない事なんだが、鹿落は寂しい処だよ。そこを狙ったわけでもないが、来がけに一晩
保養をしたがね。真北の海に向って山の中腹にあるんだから、長い板廊下を九十九折とっ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
んで、四辺は白泡となったと聞く。 また十七ばかり少年の、肋膜炎を病んだ挙句が、
保養にとて来ていたが、可恐く身体を気にして、自分で病理学まで研究して、0,などと....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
うものだと諺にも云うのだから、心配事は人に話をする方が、気が霽れて、それが何より
保養になるよ。」 としみじみ労って問い慰める、真心は通ったと見えまして、少し枕....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
格子戸から灯がさして、四五人で、ひそめくもの音。ひしひしと花ふだの響がするのを、
保養の場所と大目に見ても、好いこととは思わなかったが、時にこそよれ頼母しい。さら....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ございますが、庭も少々、裏が山|続で風も佳、市にも隔って気楽でもございますから御
保養かたがたと、たって勧めてくれたのが、同じ教子の内に頭角を抜いて、代稽古も勤ま....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
せん。……婦のだって、言いますから。」 主人の医学士は、実は健康を損ねたため、
保養かたがた暢気を専一に、ここに業を開いているのであるが、久しぶりのこの都の客と....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
いつまで入院をしていても、ちっとも快方に向わないから、一旦内へ引取って、静かに
保養をしようという事になった時、貴婦人の母親は、涙でお綾の親達に頼んだんです。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
き出してあるきまわるようなことが、二|度も三|度も重なるようになって了いました。
保養の為めに、この娘が一人の老女に附添われて、三崎の遠い親戚に当るものの離座敷に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
英才はいよいよ鋒鋩を現したが、過度の勉強の為めにいたく心身を損ね、病臥数月の後、
保養のために大陸を遍歴すること約一年に及んだ。その中六ヶ月はマウント・アソスの希....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ごとくであったが、デビーの方ではもとのようにやさしく無かった。やがてデビーは病気
保養のため、イタリアに転地などをしておったが、五年の後|逝くなった。 一八二三....
「山吹」より 著者:泉鏡花
…あの、申訳はありませんが、おなじくと…… 画家 (微に眉を顰む。しかし寛容に)
保養に来る場所ですから、そんな悪戯もいいでしょうな――失礼します。 夫人 あれ、....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
したが、多分の礼も手に入るる、山そだちは山とか、ちと看病|疲も出たので、しばらく
保養をすることにして帰って来て、ちょうど留守へ入って独で居る。菊枝は前の囲者が居....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
んの血を引いている。煮豆屋の婆が口を利いて、築地辺の大会社の社長が、事務繁雑の気
保養に、曳船の仮の一人ずみ、ほんの当座の手伝いと、頼まれた。手廻り調度は、隅田川....