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信憑
「信憑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
信憑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
して当時の標準的音韻を葡萄牙《ポルトガル》式のローマ字綴で写したものであるから、
信憑《しんぴょう》するに足り、且つ各音の性質も大概明らかであって、当時の音韻状態....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ける。かく類別せられた経験の堆積を人々は知識と名づける。知識を整理する為めに私は
信憑すべき一定の法則を造る。かく知識の堆積の上に建て上げられた法則を人々は道徳と....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
どことはなしに、失望したような空洞な響を伝えるのだった。鍵の性能に対してほとんど
信憑をおいていない法水にとると、恐らくこの二重に鎖された鉄壁が、彼の心中に蟠って....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
国流で己を衛り人を攻むれば、こちらも自国流の咒詛をしたのかも知れぬ。しかし水鏡は
信憑すべき書ではない。 役の小角が出るに及んで、大分魔法使いらしい魔法使いが出....
「惜別」より 著者:太宰治
、日本語不自由組だの「ウマが合った」だのの観念を超越した何か大きいものに向っての
信憑と努力とがあったのだが、それが何であったか、私にはどうも、よくわからない。相....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
異同に支配さるるとせば、広区域にわたるマクロスコピックの平均状態を知るのみにては
信憑すべき実用的の予報は不可能に近し。 上記のごとき地殻の弱点が一箇所に止まら....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
1) Id. p. 124. かかる記述は、殺児の一般的流行に関する最も
信憑すべき文献であるように思われる。 サア・ジョウジ・スタウントンは、彼が集め....
「暗号数字」より 著者:海野十三
重要な情報網の秘密を洩らすことになりますから勘弁してください。しかしこれは十分|
信憑すべきものであることを断言します。この□□□□□□は、来月の暗号の鍵数字であ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
私です」と自首して出た。自供をきいていると犯行当時の模様についてあまりにも詳しく
信憑性があるので同署では東京地検に連絡して堂守殺人事件を調べてみると意外にも次の....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
て、それ自体、証人なんです。この部分は、修正しようにも、できないから、法律的にも
信憑性《しんぴょうせい》があるわけでしょう」 ボーイが、電話だといいにきた。芳....
「カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
われる。すなわちそれは国学者荒木田久老の説破するところで、この同氏の説はまったく
信憑するに足るものと信ずる、よって今左に同氏の説を紹介するが、これは今からまさに....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
情熱の烈しさそのもののうちに紛れもなく彼の全人格を投射するという不思議な真実性と
信憑性をもっている。ところがチェーホフの場合はまるで違う。彼は嘘をつきたいなどと....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
。そしてここに初めて思想の科学そのものの科学性も存するのだ。思想と哲学との科学的
信憑度の問題が之だ。 科学的
信憑度の低いということは、一般にブルジョア哲学の特....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
うと思う。若き白隠=慧鶴がこの聖典に対して、全くの手掛りなく、仏教全般に対しての
信憑さえ失ったのは無理もないことである。 そんなわけで、この若き修道僧は、宗教....
「澪標」より 著者:外村繁
憶の限りでは、祖父らしい者という方が正しいかも知れない。 この私の記憶はかなり
信憑性があるように思われる。実際にも本家の内玄関は薄暗い。祖父は奥から逆光線を受....