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俯き
「俯き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俯きの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
の時からじゃ、そなたを、世にも希なる美しい人じゃと思い染めたのは。 お梶 (さし
俯きながら、いよいようなだれて、身体をかすかに、わななかせる)……。 藤十郎 (....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
充分でないのは我慢していただきたい。 古ぼけた大きな折鞄を小脇にかかえて、やや
俯き加減に、物静かな足どりをはこんでゆく紳士がある。茶色のソフト帽子の下に強度の....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
決死の戦いをすべし。 二、場数ある味方の士に親しみ手本とす。 三、敵の冑の吹返し
俯き、指物動かずば剛敵、吹返し仰むき、指物動くは、弱敵なり。 四、槍の穂先上りた....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
とは関係ありません」 この時、山本医師は急に目を白黒させて、机の上にふらふらと
俯きに上体を投げかけた。だから、検事の言った次の言葉がはたして聞こえたかどうかは....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
憎悪とか反感とか言った刺や毒が微塵もないので、喧嘩にもならずに、継母は仕方なしに
俯き、書生たちは書生たちで、相かわらずやっとる! ぐらいの気持で、笑いながら聞き....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
冷つくので、羅紗の道行を引かけて、出て見る。門外の路には水溜りが出来、熟れた麦は
俯き、櫟や楢はまだ緑の雫を滴らして居る。西は明るいが、東京の空は紺色に曇って、ま....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
れたものだ。対手が、強いだけならとにかく、評判までいいのだから――) じっと、
俯きながら、竹の、川水に動くのを、凝視していた。 十一 夜になった。女....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
めが朝に晩にの掛合、返答も力|無や男松を離れし姫蔦の、斯も世の風に嬲らるゝ者かと
俯きて、横眼に交張りの、袋戸に広重が絵見ながら、悔しいにつけゆかしさ忍ばれ、方様....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
に宿れる雫は、母君の御情の露を取次ぎ参らする、乳の滴ぞ、と袂を傾け、差寄せて、差
俯き、はらはらと落涙して、 「まあ、稚児の昔にかえって、乳を求めて、……あれ、目....
「親しく見聞したアイヌの生活」より 著者:宮本百合子
カラと云って大事にしています。 アイヌ婦人は柔順で人に話しかけられても、じっと
俯きながら聞かれただけの事を返事する位であります。其の風俗も今日では内地人のよう....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
/″\あの炭屋さんに私は惚れ……」 と云いかけ親父の顔を見て、恥かしそうに下を
俯き真赤になりました。 杢「何か、彼の炭屋に花は惚れたか、うん惚れても好い、好く....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
りました。わざとお置きになったのか、あるいは財布の中からでも偶然落ちましたのか、
俯きになっていたので落ちても気がつかなかったのか、とにかく私の気がつきました時分....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
時、一人の男が、署の中から急ぎ足で出てきました。田舎者らしくない風采をした彼は、
俯きがちに私たちのそばを通りすぎようとしましたが、そのとき私たち一行のうちの巡査....