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「俳味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俳味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。白瓜を割いて炎天に干すのを雷干という。食ってはさのみ旨いものでもないが、一種の俳味のあるもので、誰が云い出したか雷干とは面白い名をつけたものだと思う。 俳諧....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
が集まって馬籠風景の八つの眺めを思い思いの句と画の中に取り入れたものである。この俳味のある掛け物の前に行って立つことも、吉左衛門をよろこばせた。 夕飯。お玉は....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
役者も皆それぞれにうまいようである。アメリカ役者にはどこを捜してもない一種の俳味といったようなものが、このルイとエミールの二人にはどこかに顔を出しているのが....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
殺風景だと思っていたコンクリートの倉庫も見慣れると賤が伏屋とはまたちがった詩趣や俳味も見いだされる。昭和模様のコーヒー茶わんでも慣れればおもしろくなるかもしれな....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
うだよ」と耳語しながら、二人でふいと笑いだすところがある。あすこにもやはり一種の俳味があり、そうしていかにも老夫婦らしいさびた情味があってわれわれのような年寄り....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
呼んだものである。実に無意味なおもちゃであるがしかしハーモニカやピッコロにはない俳味といったようなものがあり、それでいて南蛮的な異国趣味の多分にあるものであった....
高浜虚子著『鶏頭』序」より 著者:夏目漱石
るとすると今の所謂《いわゆる》第一義は却《かえ》って第二義に堕在するかも知れぬ。俳味禅味の論がここで生ずる。 余は禅というものを知らない。昔《むか》し鎌倉の宗....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
代に応用すべき尖端のコツであるかも知れない。 だが日本は、古くより雅味、茶気、俳味、古雅、仙骨、埃を礼讃した国民であり、折角作り出した塑像を縁の下の土に埋め、....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
緒言 一 この自叙伝は、最初|沼波瓊音《ぬなみけいおん》氏の「俳味」に連載されしが、同誌の廃止後、織田枯山楼氏の「俳諧文学」にその「俳味」に載....
明治三十二年頃」より 著者:寺田寅彦
っては実にこの上もなく面白い雑誌であった。先ず第一に表紙の図案が綺麗で目新しく、俳味があってしかも古臭くないものであった。不折、黙語、外面諸画伯の挿画や裏絵がま....
栗の花」より 著者:岡本綺堂
栗の花、柿の花、日本でも初夏の景物にはかぞえられていますが、俳味に乏しい我々は、栗も柿もすべて秋の梢にのみ眼をつけて、夏のさびしい花にはあま....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
で二、三万石は集まるであろう、というのがあったのだ。 いままでは、団栗とはただ俳味を帯びた山野の邪魔物であるとしか思っていなかったのであるけれど、これによると....
我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
ら家根へ這わせているのもあるが、皆それぞれに面白い。由来、へちまとした所に一種の俳味があり、一種の野趣があることを知らなければならない。その実ばかりでなく、大き....
風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
、遠慮なしにざぶざぶ浴びてみたが、どうも思うように行かない。行水――これも一種の俳味を帯びているものには相違ないので、わたしは行水に因んだ古人の俳句をそれからそ....
日本のこころ」より 著者:中谷宇吉郎
て上げた点も、見逃してはならない。「もしもし、西洋の旦那」が持っているユーモアと俳味《はいみ》とが、即ちそれなのである。巧いいい方はできないが、日本のこころがこ....