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「個中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

個中の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
を待たずして、無理矢理に自己の趣味観を衒《てら》うの愚《ぐ》を笑うのである。真に個中《こちゅう》の消息を解し得たるものの嗤うはその意を得ている。趣味の何物たるを....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の自然に岫《しゅう》を出でて冉々《ぜんぜん》たるごとき心持ちで一局を了してこそ、個中《こちゅう》の味《あじわい》はわかるものだよ」 「また来たね。そんな仙骨を相....
渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
聞いていた。 疲労と空腹は、寒さに対する抵抗力を奪い去ってしまうものだ。 一個中隊すべての者が雪の中で凍死する、そんなことがあるものだろうか? あってもいい....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に並べる。われわれも若いときに歩兵中隊の横隊分列をやるのに苦心したものです。何百個中隊、何十個大隊が横隊に並んで、それが敵前で動くことは非常な熟練を要することで....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
に退いたと云う。ここに於て、駅の西南に散兵を布いて形勢を窺う事にしたが、僅かに一個中隊の兵力であった。 日は既に暮れて、寒月が高く冴えて居る。白雪に埋った山野....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
て、やがて今の下駄職に転じ、盆栽を妻とし、絵画を恋人として、彼と此とに戯れ、以て個中の別天地を楽しんでいる。 聞説、またかれは何人から耳にしたのか蕪村の風流を....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いるのである。 イギリス軍はそこでは実にみごとであった。クークの率いた近衛の四個中隊は、一軍団の襲撃に対して七時間そこで持ちこたえたのである。 実測図で見る....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に手をかけて目を配っていた。ルイ十五世広場には、馬にまたがりラッパを先頭にした四個中隊の重騎兵が、弾薬盒《だんやくごう》をふくらし小銃や短銃に弾丸をこめ、今にも....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ルタン凱旋門《がいせんもん》の前では、カラビン銃を持ったひとりの青年が、単独で一個中隊の騎兵を攻撃した。掩蔽物《えんぺいぶつ》もない大通りのまんなかで、彼は地上....
雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
た。 「あの、頭のない兎も忘れちゃいけないぞ!」 六 三日目に、二個中隊の将卒総がゝりで、よう/\探し出された時、二人は生きていた時のまゝの体色で....
こま犬」より 著者:岡本綺堂
現に僕もあの林のなかでまず辰子に逢い、それからあの教員に出逢ったのから考えても、個中の消息が窺われるように思われる。 しかしまた一方には教員と辰子との関係を全....
接吻」より 著者:神西清
五月二十日の晩の八時のこと、N予備砲兵旅団の六個中隊が全部、野営地へ赴く途中で、メステーチキという村に一泊すべく停止した。砲の....