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個人性
「個人性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
個人性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
わゆる公平無私にいくばくの価値があるかは私の久しい前からの疑問である。単に著者の
個人性が明らかに印象せられたというに止まりはしないだろうか。
私は年長の人と語....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
る人格は、先ず我々の個人において実現せられる。我々の意識の根柢には分析のできない
個人性というものがある。意識活動は凡《すべ》て皆
個人性の発動である。各人の知識、....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
かき終せたものが成功したような趣が大分あります。しかしこの意味で成功した性格は、
個人性格の全面を写し出したものではありません。(特別の場合を除いては)個人の全面....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
く書く」ことを根本原則とするのである。だから、出来得る限りに於て芸術上の技巧的な
個人性を出さないように努めなくてはならぬ。何故なら、技巧の表現の
個人性が深まれば....
「感覚と科学」より 著者:寺田寅彦
、個人個人による多少の差別の存在である。しかし、われわれは「考える器械」としての
個人性を科学の上に認めている。「見る器械」、「聞く器械」としての優劣の存在を許容....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
性質を挑発的だと申すからでございます。わたくしはただ平和が得たいばかりに、自己の
個人性を全滅させました。それが大失錯で、夫の要求は次第に大きくなるばかりでござい....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
ジナリティーだというわけである。 併し明らかにこれは滑稽な固定観念なのである。
個人性ということだけが個性でもなければ、個人々々の個性ばかりが個性ではないのだか....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
の概念に依っていることを免れない。 哲学者――実は観念論者――は好んで意識の超
個人性見解を、暴露しているに過ぎない。 かくて哲学と云わず科学(今は特に心理学....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、さき程説明したばかりである。
人間とはこうした人間の世間性(社会性)と人間の
個人性との両側面を統一する言葉いや事物であって、その内に横たわる秩序・道が、所謂....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
献身、慈悲、寛容、憐愍《れんびん》から発した峻厳《しゅんげん》の毀損《きそん》、
個人性の承認、絶対的裁断の消滅、永劫定罪の消滅、法律の目における涙の可能、人間に....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
すると、人間は皆死ぬ間際まで待たなければ何も書けなくなるよ。歌は――文学は作家の
個人性の表現だということを狭く解釈してるんだからね。仮に今夜なら今夜のおれの頭の....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
的思想がその背後を覆うている。塹壕の臭いがする。 瞬間への信仰的な愛着。執拗な
個人性への付着。はかない偶然性への戯れの驚き。かかるものがすることのなくなった個....
「絵画の不安」より 著者:中井正一
が怠られたると同様であったことである。 そして天才と創造の概念は、ついに放恣と
個人性とに仮託的重要さをあたえるにいたった。現今の芸術のになえる悪評は、まさしく....
「教育の最大目的」より 著者:新渡戸稲造
る風の任意《まにまに》漂《ただよ》い行く意味にあらずして、世界の大勢に応じ、なお
個人性を失わず、而《しこう》して世界の潮流に先《さきだ》ちて進むを以て教育の最大....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
だ前条に私の申したことは、そういう弛緩した心持でいよというのではなく、はじめから
個人性の発揮されたものでなけりゃならぬとか、斬新なものでなけりゃならぬとか、そう....