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「個物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

個物の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
錯覚自我説」より 著者:辻潤
《くっき》して第一のものを覆す。そうしてそれが調整する余地がなければその時に大抵個物は破壊される。個人は滅亡する。或は精神の破産となる。若し人間が真に永遠不滅な....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
ものだ。之に較べれば個人(或る意味では主観乃至主体)は、確かに論理的に特殊者だ。個物は特殊者だ。処がこの個人なるものも実は、社会の普遍性とは異った併し一種の普遍....
絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
というものがなくなることである。現実の世界は何処までも多の一でなければならない、個物個物との相互限定の世界でなければならない。故に私は現実の世界は絶対矛盾的自....
デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
己に属するのではなくして、論理から自己へである。自己とは、矛盾的自己同一的論理の個物的自己限定として考えられるのである。然らざれば、論理といっても、昔、英国心理....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
限定として、分つべからざる単一者として(時には又モナドとして)窮極的に現われる。個物の概念が、従って又個物のもつ個性の概念が、常に個別化原理と共に――普遍者への....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
所に於てあるものなのである。だが判断的一般者がどれ程自己限定をして行っても、遂に個物(個体)には到着出来ない。なぜなら個物は逆に一般者を、云わば個物の環境を、限....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
合(〔Grenzfa:lle〕)へ視線を集中することである。判断は一般的判断から個物と考えられるもの、それは云うまでもなくもはや論理的思惟を絶したものだが、夫は....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
とだ――が、一方に於ては普遍者であると考えられると同時に、他方に於ては之に反して個物だとも考えられたのである。ただの――コプラ的な――「ある」が普遍者であること....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
。これは単なる思い付や単なる感覚による描写ではない。実際この作品は、個人と社会、個物と万象、その間の交錯関係、そんなことが主題となってるものである。そして右のよ....
哲学入門」より 著者:三木清
ものである。それは私と同じく個別的なものであり、そして環境は一般的なものである。個物個物に対し、一つの環境においてある。かような個物はすべて我に対する汝の性格....
空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
向っているのであるから。 * フッセルルはこう云っている、「最も広い意味に於ける個物的存在の、領域的に一定し得べき凡ゆる段階には、一つの Ontologie が....
レンズとフィルム」より 著者:中井正一
に引いている。いわば自我が物に融合する根本的契機の心理学的演繹である。自我と物が個物として相対し、主観と客観、形式と内容と対立すればこそ、そこに統一と多様もある....
愛読作家についての断片」より 著者:平林初之輔
な批評をききますが、この批評を文字通りに解するならば、私は、その批評家を、一種の個物崇拝のマニアであると判断せざるをえません。 フランスでは、ガストン・ルルー....