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倒
「倒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
れからこの人形に中《あた》るコルクの弾丸《たま》。人形は勿論|仰向《あおむ》けに
倒れる。人形の後ろにも暗のあるばかり。
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前の射撃....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
えんは若槻に三年この方、随分尽して貰っている。若槻は小えんの母親ばかりか、妹の面
倒も見てやっていた。そのまた小えん自身にも、読み書きといわず芸事《げいごと》とい....
「影」より 著者:芥川竜之介
が、女でない事だけは確かである。陳は思わず塀の常春藤《きづた》を掴《つか》んで、
倒れかかる体を支えながら、苦しそうに切れ切れな声を洩らした。
「あの手紙は、――....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
た時、彼は表芸《おもてげい》の槍術《そうじゅつ》で、相手になった侍を六人まで突き
倒した。その仕合には、越中守《えっちゅうのかみ》綱利《つなとし》自身も、老職一同....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
。何しろお松は癇癪《かんしゃく》を起すと、半之丞の胸《むな》ぐらをとって引きずり
倒し、麦酒罎《ビールびん》で擲《なぐ》りなどもしたものです。けれども半之丞はどう....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
はもう一度夫の胸へ彼女の体を投げかけようとした。が、嫌悪はもう一度彼女の勇気を圧
倒した。
「あなた!」
彼女が三度目にこう言った時、夫はくるりと背を向けたと思....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
定する赤旗《あかはた》も立っていなかった。ただ広びろとつづいた渚《なぎさ》に浪の
倒れているばかりだった。葭簾囲《よしずがこ》いの着もの脱《ぬ》ぎ場にも、――そこ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
の中からは、誰かのわっと叫ぶ声が、突然暗やみに響きました。それから人が床の上へ、
倒れる音も聞えたようです。遠藤は殆ど気違いのように、妙子の名前を呼びかけながら、....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
てみると借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打
倒れていた。 某氏(五七)はかなり楽な生活をしていた人で、幸福であるために必要....
「初雪」より 著者:秋田滋
とッつきの樅の木に手を触れ、それから引ッ返して来た。彼女は二三度あわや雪のうえに
倒れてしまうかかと思われた。体は凍り切ってしまって、もう自分の体のような気がしな....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
断ならずと懐中へ手を差し入れて彼の胴巻を探るに、悲しやある事なし。気絶して其所に
倒れんとするほどになり、二階に駆け上りて裸になりて改めれどなし。泣く悲しむという....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
誰れでもかかるものを集め置くのがよい。一年も引きつづいて、やっておれば、左まで面
倒とは思わなくなるだろう。」 一八二二年に、ファラデーは塩素ガスを液体という意....
「寡婦」より 著者:秋田滋
こういうことが続きました。ある晩のことでした、少年は庭で出し抜けに私の膝のうえに
倒れかかって来て、狂気のような熱情をこめて、私の着物のすそ接吻をしながら、こう云....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
こへなりとくりだした気になってしまった。 彼が家に入ったとき、彼の心は完全に圧
倒されてしまった。ひろびろとした家で、棟は高いが、屋根の勾配はゆるやかで、その建....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
の方に、またある時は左の方に、絶えず何かしら聞えるような気がした。今はもう気も顛
倒してしまった彼は、我が子の名を呼びつづけながら、闇の中をかき分けるようにして馳....