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「倒れ込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

倒れ込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
、二丁|余《あまり》の岸を、尺も残さず真赤《まっか》になってこの静かなる水の上に倒れ込む。黒い水は死につつもぱっと色を作《な》す。泥に潜《ひそ》む魚の鰭《ひれ》....
復讐」より 著者:夢野久作
が、やがて上の蒲団を容赦なく引き除けると、髪毛を濛と空中に渦巻かせて、寝床の中に倒れ込むようにメスを振りおろした。その枕元から、白い散薬の包紙が一枚、ヒラヒラと....
旅愁」より 著者:横光利一
しているのを見てられるものか。どこへ転げ込むか分ったものじゃないよ。それでつい、倒れ込むなら一緒の船で来た縁故もあるから、当分はと思って油断してたんだけれども、....
倩娘」より 著者:田中貢太郎
、宙さん」 倩は急いで船を岸へ着けさした。 「どうして、来たのです」 倩娘は倒れ込むように船の中へ入って来た。いたいたしい跣足の足元が見えた。 「跣足じゃな....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
毛の生えたるが、ぬいとあり。我にもあらず崖を一なだれにころげ落ちて、我家の背戸に倒れ込む。そこにて吻と呼吸して、さるにても何にかあらんとわずかに頭を擡ぐれば、今....
三枚続」より 著者:泉鏡花
が一枚ばったり内へ煽ったんですが、赫として顔が熱かったのも道理、見る間に裏返しに倒れ込むとめらめらと燃えてましょう。戸外は限もない狐火のようにちらちらちらちら炎....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
といいはり続けた。やがて侍臣たちが彼女を受けとめるべく拡げてくれた、蒲団のなかに倒れ込むと、四日四晩、物をいわぬ口に、指をくわえたまま横たわっていた。空気は重々....