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候文
「候文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
候文の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
。私は、とんでもない無礼をいたしました。私の身のほどを、只今、はっと知りました。
候文《そうろうぶん》なら、いくらでもなんでも。他人からの借衣なら、たとい五つ紋の....
「明暗」より 著者:夏目漱石
を損《そこね》ないような巻紙の上へ、なるべく金を送ってくれそうな文句を、堅苦しい
候文で認《したた》め出したのは、それから約十分|後《ご》であった。彼はぎごちない....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
に入れて、余の宿に届けた。十二になる筆子《ふでこ》のは、四角な字を入れた整わない
候文《そうろうぶん》で、「御祖母様《おばばさま》が雨がふっても風がふいても毎日毎....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
。中味も、父と山田の伯母へやるののほかは、大がい僕が書かされた。母が口で言うのを
候文になおして書くんだが、まだ学校で教わらないような用事ばかりなので閉口した。母....
「蒲団」より 著者:田山花袋
五日目に、芳子から手紙が来た。いつもの人|懐かしい言文一致でなく、礼儀正しい
候文で、 「昨夜|恙なく帰宅致し候|儘御安心|被下度、此の度はまことに御忙しき折....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
したのである。 貼紙を出したあと、僕はいやにその貼紙が気になった。半紙一枚に、
候文でかなりながい文句が書いてあるので、あまり人目をひくものではなかったが、それ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
の外慨然として靖献遺言的の建白をし、維新以来二十年間沈黙した海舟伯までが恭謹なる
候文の意見書を提出したので、国論忽ち一時に沸騰して日本の危機を絶叫し、舞踏会の才....
「明治の五十銭銀貨」より 著者:服部之総
)大蔵少輔、渋沢(栄一)大民権大丞あての書簡から、次の部分を引用しましょう(以下
候文を現代文に翻訳した)。 「一昨二十八日|兵庫《ひょうご》着港、昨日十一番会....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
も全く我国の風俗であります。そうして用いられる言葉も、ごく古い和語であって、今も
候文がそのまま活きた会話であります。「候え」とか「はべれ」とかいう言葉で今も語り....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
なぎばし》の妓にして、向嶋小梅の里に囲われていた女の古い手紙を見た。手紙には必ず
候文《そうろうぶん》を用いなければならなかった時代なので、その頃の女は、硯《すず....