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借りる
「借りる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
借りるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
車賃に使って下さい。」
保吉は大いに狼狽《ろうばい》した。ロックフェラアに金を
借りることは一再《いっさい》ならず空想している。しかし粟野さんに金を
借りることは....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
在に弄《もてあそ》ぶことが出来る。その上万一手に余れば、世の中の加勢《かせい》も
借りることが出来る。このくらい強いものはありますまい。またほんとうにあなたがたは....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の制服を借りてくれ給え、そうすると僕はそれを口実に、親爺《おやじ》のタキシイドを
借りるから。――そこでやむを得ず、僕がこれを着て、聴きたくもない音楽会なんぞへ出....
「或る女」より 著者:有島武郎
との直《じか》取り引きを始める算段であるという事、シカゴの住まいはもう決まって、
借りるべきフラットの図面まで取り寄せてあるという事、フラットは不経済のようだけれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
た苔香園《たいこうえん》という薔薇《ばら》専門の植木屋の裏にあたる二階建ての家を
借りる事になった。それは元紅葉館の女中だった人がある豪商の妾《めかけ》になったに....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
りだと思いながら。そして事務所では金の借貸は一切しないから縁者になる川森からでも
借りるがいいし、今夜は何しろ其所《そこ》に行って泊めてもらえと注意した。仁右衛門....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
井先生は江戸児だ!」 と唐突に一喝して、 「神田の祭礼に叩き売っても、娘の縁で
借りるもんかい。河野!」 と屹と見た目の鋭さ。眉を昂げて、 「髯があったり、本....
「春昼」より 著者:泉鏡花
く金子を借りて山を買う、木を伐りかけ、資本に支える。ここで材木を抵当にして、また
借りる。すぐに利がつく、また伐りかかる、資本に支える、また
借りる、利でござろう。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
十九 「それからその少え方は、(どうだろう、その黒門の空家というのを、一室
借りるわけには行くまいか、自炊を遣って、しばらく旅の草臥を休めたい、)と相談|打....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
門附は、撥を除けて、床几を叩いて、 「一つ頼もう。女房さん、済まないがちょいと
借りるぜ。」 「この畳へ来て横におなりな。按摩さん、お客だす、あとを閉めておくん....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
た、檀越夫人の嫡女がここに居るのである。 栗柿を剥く、庖丁、小刀、そんなものを
借りるのに手間ひまはかからない。 大剪刀が、あたかも蝙蝠の骨のように飛んでいた....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に乗って行く。 「また何か言われそうな気がしますがね、それはそれとしてだね、娘が
借りるらしかった――あの小説を見ましたかね。」 「見た、なお且つ早くから知ってい....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
島野さん。おいらこれから石滝へ行くから、お前あとから取りに来ねえ、夕立はちょいと
借りるぜって、そのまま乗出したもんだからね、そこいら中騒いでた徒に相済みませんを....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
児の病気とはいいながら、旅館と来ると湯治らしく、時節柄人目に立つ。新に別荘を一軒
借りるのも億劫だし、部屋|借が出ず入らず、しかるべき空座敷があるまいか、と私が此....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
や……絵の具皿を引攫っておいで。」 「穏かでない、穏かでない、攫うは乱暴だ、私が
借りる。」 胡粉に筆洗を注いだのですが。 「画工でないのが口惜いな。」 「……....