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「借る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

借るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
々あけさせて、いろいろと勝手に好みをいった末に、りゅうとした一揃《ひとそろ》えを借る事にして、それから葉子の衣類までをとやかくいいながら去りがてにいじくり回した....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。 海中の孤島、黄金山神社のほかには、人家も無い。参詣の者はみな社務所に宿を借るのである。わたしも泊まった。夜が更けると、雨が瀧のように降って来た。山を震わ....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
とは抑も何者にやと疑いたり、素より室と室、隣同士の事とて或は燐寸を貸し或は小刀を借るぐらいの交際は有り、又時としては朝一緒に宿を出で次の四辻にて分るゝまで語らい....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
何処でも捜して見たまえ」 と云われ春見も不思議に思い、あの証書を他へ預けて金を借るような事は身が恐いから有るまいが、畳の下にでも隠して有ろうも知れぬから、表へ....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
て、セント・ジョルジ・ギルドの創立者であるが、すべての工業はその動力を風と水とに借るべきであると力説せられた。彼は水力電気を予想しなかった上に、最も蒸汽の力を借....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
だろう、資本は沢山は出来ぬが十両か廿両も貸そう」 と云って金を貸す。苦し紛れに借ると返せないから言訳に行くと、 永「もう十両も持って行け」 と三四十両も借財....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
冒すことも無く、巧みに一枝の笛を取返すことの必要を此家の主人に会得させ、其の力を借ることを乞いて、将に其目的を達せんとするに至ったのである。此家の主人の処世の老....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
か商法を始めようと思うのだ、それに就いて蠣売町に宜い家が有るから、その家を宿賃で借る積で、品は送ってくれると云うから、その家で葉茶屋を始める事になったので、実は....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
心持のせいでありましょうか。 さては随筆に飛騨、信州などの山近な片田舎に、宿を借る旅人が、病もなく一晩の内に息の根が止る事がしばしば有る、それは方言|飛縁魔と....
星女郎」より 著者:泉鏡花
かりで、山伏は膝の上で手を拡げた。 「昔|修行者が、こんな孤家に、行暮れて、宿を借ると、承塵にかけた、槍一筋で、主人の由緒が分ろうという処。本箱は、やや意を強う....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
方が単純で素直である。 ○ 婦負の野の薄おし靡べ降る雪に宿借る今日し悲しく思ほゆ 〔巻十七・四〇一六〕 高市黒人 これは、高市連黒人の歌....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
は、微塵も残っていなかった。それかと云って、彼はこうした場合に、打ち明けて智慧を借るべき、相談相手を持っていなかった。彼の茂右衛門に、おさんを勤める切波千寿は、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
り前はまともなので実に困った人です。気狂いと思ってなかなか油断はなりません。金を借ることはなかなか上手ですからあなたも御注意なさいませんとひどい眼に遇いますよ」....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
の狂う邪魔をするにも当らないからとそう云った。 かくてイワン、デミトリチは宿を借ることも、療治することも、銭の無いので出来兼ぬる所から、幾干もなくして町立病院....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
スト 己なんぞは七時間遊んでいられると、 あんな物を騙して遣るには、 悪魔の手を借るまでもないがなあ。 メフィストフェレス もうフランス人のような物の言....